ここでは、平成22年度日本語教育能力検定試験に合格した日本語教員養成課程の第一期生、高橋朋美さんに検定試験合格のための勉強法を紹介していただきます。
日本語教育能力検定試験は、日本語教員を目指す者を対象とし、その知識及び能力が日本語教育の専門家として必要とされる基礎的水準に達しているかどうかを検定する試験で、年に1度実施されています(合格率は20~23%)。 /www.jees.or.jp/jltct/index.htm
高橋さんは現在、本大学の大学院に進学し2012年3月に修了。現在、韓国の大学で日本語専任講師として活躍中です!
● 検定試験合格のために (高橋朋美)
私が検定試験に向けた勉強として一番初めにしたことは、佐々木泰子編『ベーシック日本語教育』を読むことでした。「日本語教師に必要とされる基礎知識をこの本1冊で身につけることができること」を目標としているということで、この本を赤ペンで線を引きながら丁寧に読み、まずは基礎知識をしっかり身につけようと思いました。
次に、同じように『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド』を線を引きながら読み、同時に『合格するための本』に出ているキーワードを『新・はじめての日本語教育 基本用語事典』で調べノートにまとめ、『合格するための本』の問題を解いていきました。分からない言葉、聞いたことがあっても覚えていない言葉、意味がなんとなくしかわからない言葉などは用語事典で調べ、ノートに書くということをしていました。
また今年度の『合格するための本』には「耳から覚える必須用語100」というものが収録されていたため、その必須用語のページをコピーして単語帳を作り、音声素材(MP3)をダウンロードしMP3プレーヤーに入れて持ち歩き、空いた時間に勉強できるようにしました。
夏ごろからは過去問と聴解試験対策に取り組みました。日本文学科の図書室にある平成17年度から20年度までの過去問を解き、間違えた問題をチェックしていきました。聴解試験対策には『日本語教育能力検定試験 聴解・音声特訓プログラム』を用いました。記述問題の対策は、過去問や『合格するための本』の模範解答を読み、写すということをしました。時事問題の対策としては毎月『月刊日本語』を読んでいました。
テキストを使った勉強以外に、日本語学校での講師の経験がとても役に立ったと感じています。日本語について考える機会や学習者と話す機会が多くなったことで、以前より問題の理解が容易になったと思います。 ボランティアなどにでも積極的に参加することをおすすめします。机上の勉強だけでは学べないことも多く学ぶことができるでしょう。勉強は大変なこともありましたが、必ず結果につながります。頑張ってください!!
【使用図書リスト】
・『ベーシック日本語教育』 ひつじ書房 2007
・『新・はじめての日本語教育 基本用語事典』 アスク出版 2004
・『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド』 翔泳社 2009
・『平成22年度日本語教育能力検定試験 合格するための本』 アルク 2010
・『日本語教育能力検定試験 聴解・音声特訓プログラム』 三修社 2008
・『月刊日本語』 アルク
・『日本語教育能力検定試験 試験問題』 凡人社