(前編から続く)
しだいに日暮れも近づいてきた頃、一行は最後の訪問地、会津美里町の伊佐須美神社に向かった。
会津(相津)という地名は『古事記』『日本書紀』にもその名の由来が記されており、伊佐須美神社はその神話に起源をもつたいへん歴史のある神社、会津の総鎮守である。神社内には薄墨桜や天海僧正手植えの松など、相当の樹齢を重ねた古木、大木が無数にある。そしてまた社内には、小規模ながら、菅原道真を祀った菅原神社や伏見稲荷のように赤い鳥居をくぐっていく殺生石稲荷神社などもある。一ヶ所にいろいろな神社が包摂されていて、何やらお得感のあるパワースポットといえよう。
ところで、学外で調査をしていると、至るところでネコたちに出会う確率が高い。この伊佐須美神社でも私たちを出迎えてくれたのは、毒気を放つ九尾の狐…ならぬ、かわいらしい神社ネコたちであった。ネコたちは人に愛想を振りまくでもなく、人を脅かすでもなく、ごく自然に、あるがままに、寝たり起きたり歩いたり。ほんと、ネコたちには(ニャ)試験も何にもない。会社もなければ学校もないし、仕事も何にもない。
一行は、そんなネコたちに後ろ髪を引かれながら、ああ、明日はまた学校か…とか思いながら、帰りのバスに乗り込むのだった。
いや、それだけ楽しかったのです。今回は(今回も)天候に恵まれ、出会った方々に恵まれ、非常に充実した一日となった。
お忙しい中、ご親切に対応いただいた訪問先の皆々さまに心から感謝申し上げます。まことにありがとうございました!