7月3日(日)、「東北の文学・文化・ことば」を受講している日本文学科の3年生18名が深澤先生・志村先生引率のもと、福島の二本松・田村、中通り方面に現地調査に出かけました。
この授業は「ミヤガク東北トラベル」という旅行会社が毎年テーマ性のあるツアーを企画・提案し、皆さまを旅に誘うべく、魅力的なガイドブックを作成する!というコンセプトで活動を行っています。今年のテーマは昨年に引き続き「鬼」。昨年は仙台より北に行きましたが、今年は南下します。目指すは福島です。
早朝8時に仙台を出発した一行は、3時間かけて最初の目的地、田村市のあぶくま洞に到着。ここは坂上田村麻呂に滅ぼされた鬼(オオタキマル)と関わりがあるとされています。下界は36度の猛暑でしたが、鍾乳洞の中は11度! ひんやり涼しい洞内はライトアップされて神秘の空間。美しくも妖しい、この世のものとは思えない風景が広がっていました。
一行は30~40分の観光コース(約600メートル)を見学後、施設内のレストラン「釜山」でえごまなど地元食材を使った「じゅうねん冷やたれうどん」や洞窟内で熟成させたワインを使った「ワイン塩ラーメン」などをいただきました。
折しもあぶくま洞は5万株のラベンダー園が公開最終日。ミツバチの飛び交うラベンダーに心いやされ、ついでに食後のデザートにラベンダーソフトをペロリ。そういえば途中の国見SAにはピーチソフトやわさBソフトもありました。夏場は各地の「ご当地ソフト」をハシゴするのも楽しいですね。
午後はオオタキマル終焉の地といわれる「鬼穴」(あぶくま洞の一部)や「首塚」を見学する予定でしたが、行ってみたらバスが入れない場所だったので今回は調査を断念。予定をくりあげて入水(いりみず)鍾乳洞近くにある入水寺(にっすいじ)を訪問しました。入水寺は田村麻呂が毘沙門天を勧請し、戦勝祈願をした寺であるという言い伝えがあるのです。幸いご住職もご在宅で、お話を伺うことができました。またお母様にはわざわざ冷たい麦茶をご用意いただき、一同感激! ありがとうございました。
ついで、安達郡は大玉村にある鬼松山来迎寺を訪問。同寺に伝わる鬼伝説についてご住職にお話を伺いました。さらに、かの安達ヶ原の鬼婆伝説で有名な観世寺を訪ね、お寺の宝物史料館や鬼婆が住んでいたという岩屋、また阿武隈川畔の「黒塚」を見学。観世寺の岩屋は3月の地震で一部崩れてはいるものの、その異様な威容に一同驚嘆。なぜこんな巨岩がこんなところに、うずたかく積みあげられているのでしょう?? 自然というのは、時に理解を超えた奇跡的な景観を造りだすものなのですね。ここでもご住職にお話を伺うことができました。最後はお寺の猫ちゃんたちも出てきて一行をお見送り。皆さま(猫ちゃんも)お忙しいなか、また大変お暑いなか、ご親切に対応いただきありがとうございました。
さて、後期はどのような展開になるのでしょう。MTTミヤガク東北トラベルの冒険はまだまだ続きます。