2025年11月29日(土)に開催された「第7回全日本フランス語プレゼンテーション大会(主催:京都外国語大学フランス語学科)」に、本学の一般教育科目「実践フランス語I」「実践フランス語II」を履修中の阿部良美さん(人間文化学科3年)が出場しました。 阿部さんは、全国から集まった大学生たちに交じり、「私の変化 ~美術の学びを通して~」(Ma transformation à travers l’art)と題し、美術作品を学ぶ過程で生じた疑問とゆらぎを往復しながら理解を深めた実体験を発表しました。発表者は全部で15名。母語ではないフランス語で、4名のフランス語母語話者の審査員の前で、出場者たちが成果を披露しました。
■ 出場学生の声
阿部さんは大会を次のように振り返ります。
大会では、大学でフランス語を専攻して猛勉強されている方ばかりが出場していました。一方、私は週2回しかフランス語の授業を受けていません。質疑応答の時間で本当のフランス語力が浮き彫りにされたと強く感じました。私は審査員からの質問が上手く聞き取れず、的はずれな回答をしてしまい、悔しい思いをしました。ただ、色んな方々からプレゼンに関してお褒めの言葉をいただけて、大変嬉しかったです。授業を受ける傍らフランス語プレゼンに費やすのは大変ハードでしたが、参加して良かったと心から思います。また、自分に足りていないものを知ることができました。来年度の大会にリベンジで挑戦したい気持ちがあるので、決意を新たにこれからも努力していきます。
■ 同じ学びの仲間として
同じく「実践フランス語II」を履修し、阿部さんと同じクラスに所属する鈴木里彩さん(英文学科3年)は、観客として大会に出席しました。
いつも一緒に授業を受けている仲間の大会に参加する姿を見れたことは、私にとってもとても貴重な経験となりました。言語を学び、自分の想いを誰かに伝える。改めて言語学習の楽しさ、大切さを感じました。これまで以上に頑張ろう!といういい刺激をもらえました。
■ 本大会と学びの位置づけ
阿部さんが語る通り、出場者の多くは、フランス語を専門に学ぶ学部や学科に在籍し、その上でより厳しい訓練を経た学生です。上位入賞者の中には、フランス語を使用する国際的な仕事に就くことが決まっている4年生や、フランス語圏の大学院進学が内定している学生も含まれることがあります。しかしこのコンクールは、出場者の学習時間などの画一的な審査ではなく、フランス語の指導教員の推薦で出場が認められる、柔軟で開かれた仕組みを維持しています。主催大学(京都外国語大学)や、後援(在日フランス大使館をはじめとするフランス語圏の大使館や領事館など)が、フランス語教育を続ける日本の大学に寄せる信頼の証です。
大会では、参加者一人ひとりのフランス語力はもちろん、プレゼンテーマの多様さと思索の深さにも圧倒されました。ことばとは、伝えたい相手がいてはじめて意味を持つ道具であり、「語ろうとする思い」があって初めて磨かれるもの――その事実を実感する貴重な機会でした。
■ ふだんの学びから大会へ
「実践フランス語I」は、本学一般教育課程の「副専攻プログラム(フランス語)」の必修科目で、事前申請と成績審査によって履修が認められるインテンシブ科目で、さらに成績優秀者のみが次年度に「実践フランス語II」へ進級できます。
阿部さんは現在、「実践フランス語II」を履修しながら、自らの基礎力をより確実にするため、「実践フランス語I」をあえて再度履修しています。その姿勢は、バレリーナが1番から6番のポーズに繰り返し立ち返る姿にも似て、基礎と真摯に向き合う意志を感じさせます。自分自身のことばとしてフランス語を携えようとする覚悟と探究心が、今回の挑戦への扉を開きました。
■ 続いていく挑戦の場として
出場学生と指導教員が協力しながら挑む、真剣勝負の他流試合。この挑戦を支えた背景には、一般教育部が数年前から展開している、外国語科目の副専攻制度に加えて、全学科から参加できる自主的学びの枠組み「自主ゼミ」の存在があります。「フランス語」の自主ゼミには、「実践フランス語」履修者のうち、コンクール出場を目指す学生たちが参加しています。
来年度、担当教員(間瀬幸江)の所属は一般教育部から英語文化コミュニケーション学科へ移りますが、一般教育課程フランス語副専攻プログラムの枠組みは変わらず継続します。自主ゼミもまた、来年度以降も継続される予定です。
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