発達臨床学科教授 足立智昭

こんにちは、発達臨床学科の足立です。朝夕はめっきり涼しくなり、屋外でのレクリエーションなども楽しみな季節になってきましたね。みなさんは、この季節、野外でのスポーツなどを楽しんでいますか。このコラムでは、先週末、オニコウベ(宮城県大崎市鳴子温泉)のキャンプ場で体験したインデペンデンス・ボードウォークのことをお伝えしたいと思います。

 このインデペンデンス・ボードウォークとは、アメリカで始まった活動で、森の中に木の道を設置する活動です。その目的は、車いすを利用されている方、ご高齢で杖などが必要な方、あるいは子育てでベビーカーを利用されている方なども、楽しく森の中を散策できるようにするもので、その設置はボランティアの手によって行われることが特長です。

 私は、「きょうだいの会」の子どもたちと一緒にこのインデペンデンス・ボードウォークに参加しましたが(「きょうだいの会」とは病気や障がいをもつ子どもの‘きょうだい’を支援する活動です)、その作業手順を写真と一緒に紹介しましょう。

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1.幅20cm、長さ200cmの板にメッセージや絵を描く

 「きょうだいの会」には、5名の小学生が参加していましたので、5名分の板を購入し(材料費として1枚2000円)、5枚の板を合わせて(100cm×200cmのキャンバスになります)、メッセージや絵を描きました。子どもたちにとってはかなり大きなキャンバスですが、子どもたちは2,3分の短い話し合いで絵のイメージを決め、下書きもなくあっという間に描きました(絵を描く際は、環境を考慮して水性のポスターカラーを用いています)。

 

 

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2.板を森の中に運ぶ

 大学生のボランティアにも手伝ってもらって、板を1枚ずつ運びました。1枚の板でも結構な重さなので、なかなか大変でした。

 

 

 

 080926033.板を枕木に打ち付ける

 普段、あまり見ないような大きな釘(長さ約10cm)で、板を枕木に打ち付けました。大人のボランティアの方に最初ちょっとだけ打ってもらい、その後、子どもたちが交代で釘を打ちました。指を誤って打たないかと冷や冷やでしたが、子どもたちは最後までやり遂げました。

 

 

 以上の作業で、約1mの木の道ができました。オニコウベのボードウォークの完成には、まだまだ多くのボランティアが必要ですが、子どもたちは森の中に自分たちの足跡を残すことができたことをとても喜んでいました。

 さて、このインデペンデンス・ボードウォークの他に、今回の「きょうだいの会」では、鳴子こけしの絵付け、縄文音楽の演奏、イワナ釣りにバーベキューと楽しい活動がいっぱいでした。これらの活動を支えたのが、一般の社会人の方と発達臨床学科や人間文化学科の学生さんたちでした。

 発達臨床学科では、ボランティア活動が単位になる発達支援実習があり、今回参加した学生さんは、東北大学病院の小児科でもボランティアをしています。このようなボランティアは、将来、保育者(幼稚園教諭、保育士)、ソーシャルワーカー、心理士の仕事をする上でもとても役立つと思います。在学生のみなさんも、高校生のみなさんも、ぜひ楽しくボランティア活動に参加していただきたいと思います。

(なお、上記のインデペンデンス・ボードウォークは、NPO法人IBOが普及を図っている活動です。また、「きょうだいの会」は、NPO法人ワンダーポケットの主催で行われました。)