教員のリレーエッセイ:教育学科健康教育専攻 助教 青木 拓巳

教育学科健康教育専攻に所属する青木拓巳です。今回は、私が取り組んでいる研究テーマについてご紹介しようと思います。

私の研究テーマは「睡眠と身体活動の関係性」です。近年、子どもの睡眠の乱れが問題となっています。睡眠時間の短さや授業中の居眠り、生活リズムのずれなどですね。では、それを解決する方法は存在するのでしょうか?解決方法のひとつとして、私は身体活動(スポーツや日常生活などで体を動かすこと)に注目しています。現在、子どもの身体活動時間の目標値は「1日あたり60分間以上の身体活動を実施すること」と決められており、これを「子どもの身体活動ガイドライン」と呼びます。ここで私が取り組んだ研究の結果をご紹介します。小学5年生~中学2年生およそ4,000名を対象として、睡眠や身体活動に関する調査をしました。その調査から分かったことを下の図に示します。子どもの身体活動ガイドラインを達成している児童生徒は、日中の眠気が少なかったり、しっかり朝食を食べていたりといった良い睡眠習慣・生活習慣を持っていることが分かりました。つまり、日常的にしっかり体を動かしている子どもは、良い睡眠をとっており、規則正しい生活を送っているということです。

睡眠は人間にとって非常に身近な生体現象のひとつです。満足した睡眠をとれているかどうかが、人生の満足感を大きく左右していると言っても過言ではないでしょう。このエッセイをご覧いただいている皆さんも、日常的に体を動かす活発な生活を送ってみませんか。そうすることで、ぐっすり眠れて充実した毎日を過ごすことができるようになるかもしれません。


子どもの睡眠と身体活動の関係(Aoki et al., 2020 に基づき作成)