教員のリレーエッセイ:食品栄養学科 教授 正木 恭介

弓道部の顧問をしています。趣味はゴルフです。専門は栄養学です。

高校時代から大学まで弓道部に属していました。的中を求める学生弓道ではあたらなくなると選手から外されます。弓道自体は個人競技ですが、学生弓道はチームの戦いになります。チームとして戦力になりたい。と思うのは当然です。的中が得られなくなると、練習量を増やしました。夜遅くまで黙々と弓をひきました。なかなか答えが見つからず、的中は向上しませんでした。

大学に赴任するまでは、食品の開発研究を行っていました。上司から誘われ、ゴルフを始めました。道具を使うことは弓道と共通するし、グリーン上のパットなどは似ている部分がたくさんあると感じました。レッスン書をたくさん読み漁りました。アマチュアでは胸を張れるハンディになりました。しかし、真っ直ぐボールが飛ばず、飛距離がでないなど、調子が崩れた時に、夜遅くまで黙々とクラブを振りました。答えが見つからないうえに、さらに調子を崩しました。

体調がすぐれないことがあります。原因は分かりません。病院に行くほどではないと思うと、その原因は何なのか?とりあえず自分で探そうとしてしまいます。インターネットで検索したり、友人にアドバイスを求めたりしました。健康にかかわる情報はメディアに溢れています。胡散臭い情報もたくさんありますが、答えを見つけたいと思うと、夜遅くまで黙々とキーボードをたたき、解決策を求めて、検索し続けました。なかなか答えが見つからず、体調は不調のまま回復しませんでした。

頑張っているのに解決につながらないことは理不尽です。しかし、私が経験したこの3つの例はすべて「下手固め」です。調子が悪くなって自己流でもがく。解決の方向に向かうはずがありません。時間の無駄でした。

調子のよいときに、練習する。健康な時に自分の体を見つめる。調子が悪くなった時には専門家に指導を仰ぐことが上達や回復の近道です。