教員のリレーエッセイ:教育学科 教授 梅田 真理

みなさん、こんにちは。教育学科で「特別支援教育」、そして「発達障害」を担当しています、梅田真理です。
「特別支援教育」って、聞いたことがありますか。みなさんが小学生だったときに学校の中に「特別支援学級」はありませんでしたか。ひょっとしたら「ひまわり学級」とか「なかよし学級」のような名前がついていたかもしれません。その学級の子どもたちと一緒に勉強したり、遊んだりした経験のある人もいるのではないでしょうか。
「特別支援教育」は障害のある子どもを対象とする教育ですが、実はこの「障害」というものも境目がはっきりしません。耳の聞こえない方は確かに「障害」があるのでしょうが、耳が遠く補聴器を使っていても「障害」ではない方もいます。私もそうですが強度近視の方はめがねがないと生活できませんよね。また、年を取れば足腰が弱くなり、杖を必要とする場合もあります。このように、「どこからが障害か」という境目は実はっきりしないのです。

「発達障害」も同様です。「落ち着きがない」「集中力が続かない」「相手の気持ちを察することが苦手」「臨機応変が難しい」「読み(書き)が苦手」「計算が苦手」などは発達障害のある子どもの特徴ですが、誰にでもある特徴ではないでしょうか。誰にでもある特徴が非常に強く、そのために学習や生活がうまくいかない状況にある場合は発達障害があるかもしれないと考えた方がいいですが、特徴はあるものの特に困っていない場合もあります。大切なことは、「障害」があるかどうか、何か診断名がついているかどうか、ということではなく本人が困っているかどうかをしっかり見ることだと考えています。そして、困っていたら助けたり支援したりする、ということです。
日本が目指す「共生社会」とは障害だけではなく、年齢や性別、国籍などあらゆる違いを認めながら助け合って暮らす社会のことです。そんな社会を目指し、日々授業に取り組んでいます!