食品栄養学科 准教授 丹野 久美子

こんにちは。食品栄養学科の丹野と申します。以前は「丹野の丹は仁丹の丹…」と自己紹介をしていましたが、ある時、学生の皆さんが「仁丹」という食べ物を知らないことを知り、衝撃を受けました。知らない方はおじいちゃんやおばあちゃんに教えてもらってくださいね。

最近、スポーツ栄養という言葉をよく聞くようになり、高校生の皆さんからも、スポーツ選手の栄養サポートをするためにどうしたらよいかという質問を受けることが多くなりました。しかし日本でトップアスリートへの栄養サポートが行われるようになったのは1988年のソウルオリンピック以降のことと言いますから、わが国のスポーツ栄養学の歴史はまだまだ浅いことがわかります。

中学時代、バスケットボール部の伝統と教えられ作っていた「レモンの砂糖漬け」は、グルコースとクエン酸を一緒に摂取することでグリコーゲン合成を高めることができるため疲労回復に有効である、と知ったのもちょうどこの頃、このキャンパスでゼミの時間に学んだことでした。これがスポーツ栄養との出会いです。当時はまだスポーツ栄養という分野が確立されていませんでしたが、スポーツも好き、食べるのも好きな私にとって大変興味のある分野でしたので、管理栄養士になってからもこの勉強を続け、漕艇部やバスケットボール部、サッカー部などの大学生選手の栄養サポートの他、ジュニアアスリートへの栄養教育を行ってきました。

女子中学生バレーボールチームへも毎年継続して栄養サポートを行っています

宮城学院女子大学に着任してすぐに、学生の要望により、スポーツ栄養について学んだり、実践したりできる自主活動の場として「Spⓡt a you」という団体を立ち上げました。そこでは学生が自主的にスポーツと栄養の関係について勉強会を開催し、外部のスポーツ団体からの依頼を受けて合宿の食事づくりのお手伝いをしたり、選手や保護者に対してセミナーを開催したり、定期的に他大学と交流したりしています。今年の4月から、大学と連携しているフットサルチームであるヴォスクオーレ仙台の栄養サポートも始めました。また、先日は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が実施した特別講座にも学生と一緒に参加してきました。

7月に行われた東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会主催の勉強会にも参加しました

このような活動をしていくうちに、スポーツ選手に対し栄養教育をするためには、その競技を知らなければできないことや、選手の食生活はもちろん、体調や精神状態についても把握しなければならないことに気が付きます。これらの気づきがあることが、私が担当している「栄養教育」を実践的に学ぶ場として最適なのです。「栄養教育」の目的は、対象者の食行動がより望ましい形になるよう変容させることにあります。そのためには単に知識の伝達だけでなく、どうしたらその行動をとることができるか、対象者すなわちその人個人を理解しなければなりません。そのことを学生時代に経験できる場として、「Spⓡt a you」はとても貴重な存在だと思います。

今年は宮城学院女子大学ラクロス部を対象に、選手の筋力を増加させるための栄養補給について研究しています

スポーツ栄養学の分野はまだまだわからないことがたくさんありますが、だからこそ面白く、魅力的なのです。私自身、宮城県でまだ数少ないスポーツ栄養士の資格取得のため目下勉強中の身ですが、スポーツ選手を支える管理栄養士を目指して、宮城学院女子大学で一緒に学びませんか?

スポーツを自分たちで体験することも大切!第5回仙台リレーマラソン女子の部で2位になりました!