幼児教育専攻の教員が、リレー方式で担当している附属森のこども園の園だより4月号のコラムを紹介させていただきます。4月号は、兪幜蘭先生のコラムです。
「安心」の手がかりは、すぐそばに
新年度が始まり、進級や入園を迎えた子どもたちにとって、4月は大きな変化の時期です。新しい環境や人との出会いに、わくわくする気持ちと同時に、不安や戸惑いを感じることも少なくありません。 朝の登園時に保護者の方と離れる場面で、涙が出てしまう子どもの姿が見られることがあります。そのとき、「大丈夫かな」と心配そうに見守る大人の表情や声かけは、子どもにとって大きな手がかりになります。
子どもは、そばにいる大人の表情や声の調子を感じ取りながら、自分の気持ちを整えていきます。たとえば、保護者の方が「先生がいるから大丈夫だよ」「楽しんでおいで」と落ち着いた様子で送り出すと、子どもは「ここは安心していい場所なんだ」と感じやすくなります。一方で、大人が不安そうな様子でいると、その気持ちが子どもにも伝わり、不安が強まることもあります。また、帰宅後に「今日はどうだった?」と聞くときも、「楽しかったことあったかな?」と少し前向きな問いかけを添えることで、子どもが安心できる記憶に目を向けやすくなります。こうした日々のやりとりの積み重ねが、新しい環境への安心感を育てていきます。
もちろん、保護者の皆さんも、新しい生活に不安を感じることがあると思います。そのようなときは、「ドキドキするね」と気持ちを共有しながらも、「でもきっと大丈夫」と少し先を見通す言葉を添えてみてください。 子どもにとって、最も身近な「安心の手がかり」は、そばにいる大人の表情や言葉です。新しい一歩を踏み出す4月、子どもたちが安心して過ごせるよう、私たち大人がその支えとなっていけたらと思います。
幼児教育専攻 兪 幜蘭(ユ キョンラン)

