附属森のこども園の園だより:2月号のコラム紹介

幼児教育専攻の教員が、リレー方式で担当している附属森のこども園の園だより2月号のコラムを紹介させていただきます。2月号は、西浦和樹先生のコラムです。

こころとからだを育むウェルビーイング — 子どもの一歩一歩の尊さ

子どもの成長とは、からだが大きくなることだけを指すのではありません。

こころが安心し、目の前の世界に好奇心を向け、誰かと関わりながら「自分らしく生きてみよう」と思える力が、少しずつ育っていくこと。その歩みそのものが、成長なのだと思います。心理学の研究もまた、子どもが安心して自分を表現できる環境こそが、ウェルビーイング――よりよく生きる力――の土台になることを教えてくれます。

スウェーデンでの研究生活の中で、私はその姿を日々目にしてきました。そこでは、子どもも大人も立ち止まり、「どう感じたのか」「なぜそう思ったのか」を言葉にします。急がず、否定せず、耳を傾ける。その積み重ねが、自己肯定感となり、他者を思いやる力となり、社会の中で自分の居場所を感じながら生きる力へとつながっていきます。

そして、もう一つ大切にされているのが、小さな幸せに気づき、感謝を行動にすることです。人は、うれしい出来事ほど忘れやすく、つらい記憶ほど残してしまいます。しかし、「できたね」「ありがとう」「うれしいね」と言葉を交わす行動は、こころとからだに確かに刻まれます。その一瞬が、子どもにとっての安心となり、次の一歩を踏み出す力になります。

子どもの発達は、未来への種まきです。こども園で交わされるまなざしや言葉、そのすべてが、子どもたちのウェルビーイングを育んでいます。小さな一歩に気づき、共に喜び、感謝すること。その積み重ねこそが、子どもの未来をそっと支える、何より大きな贈り物なのです。

西浦和樹(ストックホルム商科大学・客員教授)

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