附属森のこども園の園だより:1月号のコラム紹介

幼児教育専攻の教員が、リレー方式で担当している附属森のこども園の園だより1月号のコラムを紹介させていただきます。1月号は、平川久美子先生のコラムです。

ことばや文字の世界を楽しむ経験

「子どもの頃に大好きだった絵本はありますか?」と聞かれて、思い浮かぶ絵本はありますか?私は、「おしいれのぼうけん」という絵本が大好きでした。有名な絵本なのでご存じの方もいらっしゃると思いますが、少し長めの絵本のため、幼稚園の年長さんのときに帰りの会で担任の先生が毎日少しずつ読んでくれました。「ちょっぴり怖い…けれど続きが知りたい」とドキドキワクワクしながら聞いていたことを思い出します。
 
娘は小さい頃から絵本が大好きで、保育所で「今日は何にしようかな」と絵本を自分で選んで借りて来て、寝る前にその絵本を読むことが日課になっていました。繰り返し読んでいるうちに、お気に入りの絵本はどのページでどのようなお話の展開になるかもすっかり覚えてしまい、まだ字も読めないうちから一人でページをめくりながらあたかも「読んでいる」かのように振る舞う娘の姿をよく覚えています。気づくと、娘はひらがなを拾い読みするようになっていました。絵本だけではなく、ことばや文字を使った様々な遊びや活動を通して「ことばや文字の世界を楽しむ経験」が、ことばの発達を促すのだと改めて感じました。
 
当時、仕事や家事に追われる生活の中で、子どもたちと関わる時間がなかなか取れないことは私にとって大きな悩みの1 つでした。そのような中で、この絵本を読む時間は、娘とゆっくり関わることのできる、親にとっても大切な時間でした。また、娘の好きなものや保育所で経験していることが娘の選ぶ絵本から感じられ、絵本からおしゃべりが広がることも多かったです。振り返ってみると、子どもと一緒に絵本を楽しめる時間は、子育ての中で決して長くはありません。娘に「もう1 回!」と言われて同じ絵本を何度も読んだあの時間も、良い思い出です。
 
娘は週末のたびに宮城県図書館や仙台市民図書館に通うほど、本が大好きな子ども
に育ちました。中学3 年生になった今は、本はちょっぴりお預けですが、それでも
学校の図書室で本を借りて、受験勉強の合間に本の世界を楽しんでいるようです。

宮城学院女子大学教育学部 平川 久美子