公開シンポジウム「東北、宮城におけるキリシタンの潜伏と弾圧」を開催しました

11月5日(土)の13時半から、K301教室にて、人間文化学科主催公開シンポジウム「東北、宮城におけるキリシタンの潜伏と弾圧─その歴史と文化を学ぶ─」が開催されました。

3人の講師を外部からお招きし、学生だけでなく一般の方々にも公開された本シンポジウムの会場には、たくさんの参加者が集まりました。八木祐子先生による学科長挨拶、杉井信先生によるシンポジウムの趣旨が語られた後、3つの報告が行われました。

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まず、仙台市教育委員会文化財主任の佐々木徹氏の報告では、かつての仙台藩領で、伊達政宗の家臣や多くの民衆がキリシタンに改宗していたというお話を聴くことができました。また、江戸幕府の禁教令を受けて仙台藩がどのような藩政を展開したかなど、日本の歴史や東北、宮城という地域の歴史についても学びを深める報告を、スクリーンに様々な史料を映しながら丁寧にお話していただきました。

ついで、岩手県と宮城県の県境にある大籠キリシタン資料館からお招きした館長の畠山一也氏、事務局長の金野壮氏からは、大籠のキリシタン遺跡や殉教の歴史をご説明いただきました。また、たたら製鉄や東北におけるキリシタン殉教の情報発信といった取り組みもご紹介いただきました。潜伏キリシタンと言えば長崎のイメージがあったので、こんなにも身近にキリシタンの史跡があったことは驚きでした。

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さらに、本学科2年生の山本遥さんは、調査に基づく仙台キリシタン殉教の報告を行いました。その後の総合討論では、講演の内容を掘り下げた質問と回答が飛び交うなど、とても充実したプログラムだったと感じました。ふだん学んでいる領域とは違った分野の詳しいお話を聞くことができ、大変貴重な機会だったと思います。

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11月23日(木)には、人間文化学会主催「スリーコインズ・ツアー」が行われる予定です。今回はシンポジウムの内容と関連して、東北の潜伏キリシタンをテーマとしたツアーが企画されています。このツアーにも参加し、シンポジウムで得た知識を実体験と絡めてより深化させていきたいと思います。

 

人間文化学科3年 三浦桃子