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卒業生の様子を紹介します
 








 2011/7/12

VOL.7

芸術総合演習
“音楽の力”プロジェクト 《歌をつくる・歌をうたう》

『芸術総合演習』は、宮城学院女子大学音楽科の2〜4年生の選択授業です。音楽芸術に関わる諸要素を素材に @多角的にモノを見る力 A柔軟な思考力とコミュニケーション力 B感じる力・自身の考えを確立する力 を磨くことを目的としています。

今期のテーマは「音楽の力」。3月11日の東日本大震災の爪跡も生々しい5月10日にようやく新学期の授業が始まりました。人生にはこんな理不尽なことが起こり得るのだということを心に深く刻まずにはいられなかった体験を共有して、音楽はどのような力を発揮できるのか、弱点は何か、私達はこれから、長年かかって身につけた音楽という財産をどのように生かしていけばよいのだろうか、を考えることがテーマです。

まず、「音楽の力」全般について客観的に考え、続いて「今私達が歌いたいことば」「今私達が歌いたい歌」をテーマに、みんなで考えた300を超えるキーワードからテーマを絞りました。その後、作詞・作曲・演奏の過程を通して、最初に考えた「音楽の力」が「私の力」に、さらには「人と共有できる力」になっていくことをめざしました。
   
 
この作品は、詩も音楽も、楽譜の版下も、表紙も、すべて学生達が創りました。ことばの言い回し、音域の広さや調号の多さなど、合唱曲の常套書法からはみ出していると思われる部分も、学生達が大切にこだわって創ったものを尊重しました。結果的にとてもオリジナリティに富んだ作品になったと思います。自分たちで工夫して練習し演奏した初演風景を、大学のホームページで公開して客観的なコメントを頂き、それらを学生達が消化し自らの内で昇華させるところまでが前期の演習です。しかし実はこの演習は、彼女達が音楽と何らかのかかわりを持って生きて行く限り続く長い道のりの第一歩にすぎません。この楽譜を創る事によって、第三者によって歌われ、時と共に創った本人達の意識も変化し、作品自体が育っていくことこそが、音楽の底力であるということを、いつの日か肌で感じてくれたら、と思います。
初演の機会を与えて下さった宮城学院女子大学音楽科OG有志の皆さまに、心より感謝致します。音楽が、これからの人生の様々な局面で彼女達を支え、導き、優しく包んでくれる存在であるように、そしてまた音楽が、この曲を聴いて下さる皆さんにとっても人生のよき友であってくれることを、祈りつつ。

2011年7月10日
『芸術総合演習』担当 なかにしあかね
 
コンサートの詳細について・・
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