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 2015/8/4

2015年8月4日

音楽科文化系OGのみなさんへ

 2015年度も前期を終わろうとしています。卒業生のみなさまには、お仕事にご家庭の切り盛りに、また子育てに、と、お忙しくお過ごしの毎日かと拝察いたします。

 さて、お聞き及びの方もいらっしゃると思いますが、宮城学院女子大学は2016年度に大きく様変わりすることになりました。これまでの学芸学部1学部に10学科が置かれる体制から、ビジネス学部、教育学部、生活科学部、学芸学部の4学部体制となります。音楽科は学芸学部の中に置かれますが、専攻の構成が変わります。これまでの実技系・文化系の2系列体制から、演奏実技の専門教育に特化し、器楽、声楽、作曲の3コース(器楽にはピアノ、オルガン、フルート、ヴァイオリン・ヴィオラ、チェロに加え、管楽器としてクラリネット、オーボエ、ファゴット、ホルン、弦楽器としてコントラバスの専攻が開かれる)をたてる体制になります。これにより、「文化系」という専攻はなくなり、現在文化系を担当している教員のうち、なかにし、大内は教育学部へ移ることになります。

 なぜ、この改変が必要なの? なぜ「文化系」がなくなってしまうの?-----釈然としない思いの方もいらっしゃると思います。残念、寂しい….と思われる方も少なくないかもしれません。しかし、これは音楽科個別の問題でも、ましてや文化系の問題でもありません。大学全体が新たな可能性を開くための大きな変革の中での動きなのです。

 宮城学院女子大学へのよい評価は、今も確固としてあります。伝統校、きちんとした教育をする大学、品格のある女性を育てる大学、社会でまじめに仕事に取り組むことのできる人材を育てる大学などなど。「音楽科」の存在は、そのような宮城学院の良きイメージに大きく貢献してきました。しかし他方で、その本学の良さが、今までのままでは、受験生やその親御さんから魅力として受け止められにくくなっているのも事実です。

 どうしたら宮城学院女子大学の良さをアピールすることができるのか、社会が、大学で学ぼうとする高校生が、宮城学院に求めるものは何なのか、2013年度から大学全体で模索を続けました。そのひとつの結論が、新しい4学部9学科体制です。基本的な方向性は、現代ビジネス学部の新設が象徴的に表すように、社会に対してより具体的にアクティブに貢献できる力を育てること。その一方で、宮城学院が長い年月をかけて培ってきた、豊かな教養を備えた知的な女性を育てる力は、学芸学部の存在とMGUスタンダードという新しい形の全学共通教育によって引き継がれてゆきます。音楽科もこの大きな流れの中で、形を変えることになりました。音楽科がもっているふたつの力を別方向で活かしていくということです。

 ひとつは、長い伝統で積み重ねたノウハウをもつ実技教育を拡充し、東北で唯一の音楽の高等教育機関としての存在感を高める方向。今回、器楽の専攻を増やし、さらに作曲専攻を置いたのは、高校までに吹奏楽に親しんだ生徒、楽器店系の音楽教室で即興演奏や創作を学んだ音楽好きの生徒に、この地で専門的な音楽教育を受けてもらおう、それを社会での活動につなげてもらおう、という意図です。もうひとつは、文化系が培ってきた幅広い音楽への取り組みを、教育学部と全学教育MGUスタンダードの中で活かす方向。本学の教育系学科は、社会から一定の評価を得てきましたが、さらなる新たな魅力づくりに迫られています。宮城学院だからこそ、の魅力といったら何か。当然「音楽」は最有力候補です。しかも、文化系が取り組んできたさまざまな音楽の在り方、地域に根ざした音楽文化の理解やコンピュータも含めた多様な音楽制作の経験は、これから小学校教育や幼児教育の現場に立つ学生の強い支え力になり得ます。音楽科の文化系の要素は教育学部の中で活かし、宮城学院女子大学を支える新たな力にしよう―—これが、大学が出した答えでした。

 ここまで読んで下さった方は、きっとご理解くださると思いますが、2016年度から「文化系」がなくなることは、決して後ろ向きの選択ではありません。むしろ、これまでOGのみなさんが文化系の学生として真摯に取り組み成果を出してきた学習活動の蓄積が、宮城学院女子大学全体の財産として共有され、新生MGの新たな力として活かされて行く、ということなのです。どうぞ誇りをもって、新たな宮城学院女子大学の歩みを見ていてください。

 1992年に設置された文化系。そこで学ばれたみなさんおひとりおひとりが、文化系の活動の証であり生きた財産です。OGのみなさんが、それぞれの場所で、生き生きと活動して下さることが、文化系の実績とそこで学んだことの誇りを先へと繋いでゆきます。おひとりおひとりの歩みが力強く幸多きものであることを願います。

 

音楽科専任教員 一同

  宮城学院女子大学音楽科
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