心理行動科学科の大橋智樹教授が、12月14日に「山形県勢懇話会第626回例会」で講演を行いました。同会は、国内各分野の著名な専門家、研究者、有識者らを招請して、時宜に合った講演会を年に10回ほど開催するもので、大橋教授が昨年11月に出版した『ヒューマンエラーの心理学』が担当者の目にとまったのがきっかけで招聘されました。
当日は、自治体の首長、金融機関の頭取などを筆頭に、運輸、電気、情報通信、建設、販売、そしてメディアなどの経営に携わる山形の経済を支える人々が参加し、大橋教授の講演に熱心に耳を傾けていました。
大橋教授は、産業現場で発生するヒューマンエラーの防止に関する研究を、エラーを起こす人間の心理特性に注目して教育・研究しています。この講演では、そのような人間固有の特性を「本能のようなもの」とし、それがエラーにつながる仕組みとその予防策について語りました。ヒューマンエラーの発生は、当事者の命を脅かすことがあるだけでなく、組織の存続をも左右しかねない重要な経営課題であり、特に人口減少が急速に進む東北地方においては人材不足への対策にもなり得るとの主張に、参加者は深くうなずいたり、メモを取るなどして聞き入っていたとのことです。
なお、翌12月15日には、山形新聞にその講演要旨が掲載されたほか、山形テレビや山形放送などのテレビニュースでも取り上げられました。大橋教授によると、在学生はもちろん卒業生からも「新聞出てましたね!」「ニュース見ました!」といった声が届いたそうです。教員がメディアに取り上げられることがそういったコミュニケーションにつながるところも心理行動科学科の良いところでしょう。