7月11日(月)の5校時に、本学科のOGをお招きしてお話を伺いました。在学生にとっては、自身のキャリアを考える貴重な時間です。
ゲストにお招きしたのは本学科2014年度卒のKYさんで、大橋先生が聴き手となって会を進行しました。
Kさんは、本学卒業後、看護学校に進学され、看護師の資格を取得されました。現在は仙台市の病院(総合病院)の精神科病棟の看護師としてご活躍の先輩です。Kさんは入院患者に対して治療のお手伝いや日常生活の介助をされています。統合失調症、拒食症、鬱病患者など、在学生にとっては教科書では見聞きしたことがある診断名ですが、その実際について、初めてお話を伺う貴重な時間でした。
キャリア選択についてKさんは、4年生の秋頃に既に一般企業への内定を獲得していましたが、本当にこの会社でいいのだろうかという迷いや不安を抱いていたそうです。そんな中、たまたまテレビで見た看護師のドキュメンタリーがきっかけとなり、「人生の中で弱った時や人生で忘れられない瞬間をサポートできる仕事なんだな」と思い、「やってみたいかも。なんとなく進路先を決めるのではなく、やりたいことを仕事にしたい!」と、看護師という職業と運命的な出会いをされます。「やりたいことをやった方がいい」というご両親の後押しもあり、「悩むってことはやりたいんだな。ここでやらなかったら一生モヤモヤするかもしれない。やってみて失敗したら失敗したらで仕方ない」と、看護学校進学を決定されたのでした。
この進路決定の経緯にあるような一歩踏み出していく勇気や力強さは、在学生にとってとても印象的だったようです。
現在日々奮闘される中で、ご自身の関わり方が患者の精神状態に影響することを実感され、患者が良くなっていくこと、社会復帰のサポートができることが、看護師の魅力だと力強く語られました。
そんなKさんはどんな大学生活を送っていたのでしょうか。ご本人曰く、優等生タイプではなかったKさんですが、人との関わりを大切にされ、その人間関係が、現在も支えとなっているようです。
また、大学生活において、友達との時間を大切にすることや、さまざまな価値観に触れること、そして読書をすることの重要性について語られました。読書は、単純に知識を蓄えるだけでなく、仕事で大量の文字を読む際に、速読や理解の速さに活かされるそうです。
質疑応答では多くの質問が寄せられ、在学生の刺激になっているようでした。
以下に学生たちの感想の一部を紹介します。
・内定をもらってから、興味を持った世界に飛び込む勇気に驚いた
・自分の本当にやりたいことを実行するためには悩むよりも「まずやってみる」ということが大事だと思った
・心理の職に就かなくてはならないとかではなく、いつでも自分の新しい目標や夢を立てて、別の道を選択できるということを学べた。やりたいを諦めることはないというのを感じて選択肢が広がった気がした
・自分の行動に対するモチベーションについて「自分で決断する」ということが最も大切だと感じた。モチベーションが下がって投げ出したくなってしまう時に「自分で決めたこと」と気持ちを持ち直すことが必要だと感じた
・看護師を目指すきっかけがテレビで見たドキュメンタリーであったと聞いて、何が将来を決めるか分からないなと感じた。
・人生における転機となるようなきっかけが訪れた時に自分自身がどのような行動をとるか、自分を支えてくれる人がちゃんといるのかということが、どれだけ重要かということを改めて実感した
・色々な人や価値観が合わないなと思っている人とも学生時代に関わっていく経験が大切だと学んだ
・患者をサポートする側として、精神的、身体的な支援ももちろん必要だが、患者の今後の人生を見据えた社会的支援も必要となってくると考えた
・仕事をしていると「自分が思っていることと違うことを常識としている人」がいるという話を聞き、やはり学生のうちに多様な価値観に触れておくことが必要だと強く感じた
・学生時代には完璧ではなかったというところに親近感を抱いた。学生のうちにしかできない「やりたいこと」をやり尽くそうと決めた
・本を読む習慣を身につけること、やりたいことに積極的にチャレンジしていくこと、心配のしすぎをあまりしないことをこれからの大学生活で活かしていきたいと思った
(千葉陽子記)