9月3日,4日の2日間,神戸および尼崎において実践研修「現場部」の研修旅行を開催し,22人もの学生さんが参加しました。
神戸では阪神・淡路大震災を契機につくられた「人と防災未来センター(ひとぼう)」と震災遺構「神戸港震災メモリアルパーク」を訪れ,自然災害にどのように備えたらよいかを学びました。ひとぼうでは,87歳の語り部の方から,関東大震災の話や,太平洋戦争におけるご自身の空襲体験などさまざまな話題を交えながら被災体験をお話しいただき,学生さんたちもいろんなことを考えさせられたようです。
尼崎では「祈りの杜 福知山線列車事故現場」を訪れ,JR西日本の方からレクチャーを受けました。107人の命が消えてしまったまさにその場所で,事故や救助の痕跡を目の当たりにしながら,そしてすぐそばをその時と変わらず頻繁に行きかう電車を見て聞いて,そこで何が起こったのかを少しはリアルに想像できただろうと思います。さらに,事故後に乗客から寄せられた厳しい声を知り,また,現場を現在の形に整備するまでのご努力を伺い,自分の所属する会社が事故を起こした事実を背負っていくことの重さと覚悟も感じられたようでした。
※「現場部」は,“心理学は,机の上だけでは学べない”という本学科のモットーを体現化した企画で,2014年度に当時の学生さんの希望で始まりました。さまざまな「現場」に足を運び,自分の目で見て,自分の耳で聞くなど五感をフル活用して現場を感じ,そこから心理学の学びを見出す企画です。これまでに,JAXA筑波宇宙センター,宮城県科学捜査研究所,松島水族館(現在は閉館),東北少年院,青葉女子学園,仙台鑑別所,新日鐵住金・安全体験教育プログラム,東北電力・女川原子力発電所などを訪れてきました。
(大橋記)