7月18日(火)の3校時に,「少年犯罪への対応についての講演会」と題して、法務教官,心理技官等の心理学を少年犯罪に活かす仕事(公務員)についてや,少年鑑別所,少年院等の施設のお話をうかがう機会を設けました。
講師には、小林万洋 先生(仙台少年鑑別所所長)、小野和典 先生(東北少年院院長)のお二人をお招きしました。
先生方からは、少年犯罪の現状や近年の非行少年の特徴について、少年鑑別所と少年院がそれぞれどのような役割を担っているのか、心理技官の方や法務教官の方が、少年たちとどのように関わっていらっしゃるのかについてなど、普段はなかなかお伺いすることのないお話をうかがうことができました。
今回は2~4年生の約70名が参加しました。以下,参加者の感想の一部をご紹介します。
- 非行に走った少年らの背景に家庭の事情もあると聞いて胸が痛くなった。自分が今まで当たり前だと思っていたことは恵まれていることなんだと思った。
- 非行をした子は24時間悪いことばかりしているわけではない、ということばが印象的だった。
- 少年院は怖いところではなく、少年達を更生、サポートしていくところだ、というお話が印象深かった。
- 非行の分類に「ぐ犯」があることを初めて知った。事前に犯罪を防ぐために必要だと思った。
- 非行少年には、昔とはちがって、大人しい人が多い、というのに驚いた。自己表現が苦手な少年に寄り添って、社会復帰のために尽力されている先生方のお二人ともが,仕事にやりがいを感じていらっしゃるのをひしひしと感じた。
- 心に傷を負った子や人を信用できない子などと関わる仕事で、自分自身を強く持っていないと務まらないと思った。責任とやりがいのある職業だと感じた。
- 心理学の知識で人を助けられる機会がたくさんあるのだと感じた。そして心理学の知識をこれからももっと身につけていきたいと思った。
このほか、少年の非行について正しい理解が深まったという声、この講演をきけてとてもよかった、という声が多数でした。
本学科のカリキュラムには「犯罪心理学」関連の科目が設置されていませんが、この領域に関心を持っている学生たちも多いです。学科ではこのような声に応え、外部から専門家をお招きして集中講義の形で授業を行ったり、今回のような特別な講演会の機会を設けたりしています。
また、今回の講演会は、キャリア支援も兼ねており、心理学を仕事にどう活かせるのかについても知る機会となりました。
小林先生、小野先生には、ご多用の中、本学までお越しいただき貴重なお話をありがとうございました。
(木野記)