本学主催公開シンポジウム「地域女性とエンパワーメント W20の取り組み」(外務省WAW!公式サイドイベント)が開催されました

宮城学院女子大学主催公開シンポジウム「地域女性とエンパワーメント W20の取り組み」が2022年11月12日(土)14時―15時40分、本学大講義室C202において開催されました(対面・オンライン併用)。学生、一般市民約200名の参加がありました。

W20(Women20)はG20 に向けて女性に関する政策提言を行う G20 公式エンゲージメント・グループの一つです。2022年の主催国はインドネシア、W20では今回、女性の経済的エンパワーメントの重要課題に、新たにRural Women、Women with Disabilitiesが加えられました。本シンポジウムはW20日本代表団より、Rural Women Working Groupのメンバー4名による報告で構成されました。なお、本シンポジウムは外務省WAW!公式サイドイベント2022の公認を受けています。

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第1報告では、W20日本代表団共同代表の小安美和さん(株式会社Will lab代表取締役)から「W20の役割と機能―女性の経済的エンパワーメントに向けて」と題して、W20の活動の経緯、日本のデリゲート紹介、2022年コミュニケの要点が説明されました。

第2報告「W20の新動向―環境、人権、障害」では、織田由紀子さん(日本女性監視機構副代表)より、W20の課題設定が、経済領域のみならず、健康、環境、そして農村や障害者を含む多様な女性や少女のエンパワーメントへと広がりをもち、障害者の人権、性と生殖に関する健康・権利(SRHR)の重要性が強調されていることが説明されました。

第3報告「地方にくらす女性の可能性-宮城からの発信」では、石本めぐみさん(特定非営利活動法人ウィメンズアイ 代表理事)より、W20の共通課題Rural Women(農村女性)と日本の事例をつなぎ、とくに宮城県内で行ったシングルマザー調査を視野に地域的課題について説明されました。また、グローバル・ローカルな視点から、課題の可視化、改善提案、フォローアップ、モニタリングの循環による新たな協働的エンパワーメントの可能性が示されました。

第4報告「災害女性学とエンパワーメント・モデル」では、天童睦子(本学教授 女性学・キャリア形成論)より、『災害女性学をつくる』(共著2021)をふまえて、女性のエンパワーメントの現代的課題が整理されました。平時と非常時の連続性、構造的不平等の是正に向けて意思決定の場に女性のアクセスを一層高めていくこと、政策提言につながる地域の市民力が提起されました。

 

参加学生の感想として「W20に所属している一人一人の説明内容がとても分かりやすく熱心で、地域女性とエンパワーメントW20にかける強い想いが伝わってきた。」「ご報告にあった地方に暮らす女性の生き方は、私自身県内の田舎に住んでいるため他人事ではないと感じた。まさに「個人的なことは政治的なこと」なのだと思った。女子大の学生として、このように自分の人生と向き合う機会をいただけたことに感謝している。」「W20の存在が今後発展し、活動範囲が広がれば、差別や様々な問題が少しでも軽減されて明るい未来になっていくと感じた」などがありました。

今林直樹本学教授(政治学)のコメント、フロアからの質問を含め、充実したシンポジウムとなりました。

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これを機会にW20の活動を知っていただき、女性のエンパワーメントを多面的に議論し実現する一助となれば幸いです。ご協力・ご参加いただきました皆様に御礼申し上げます。(文責:天童睦子)

(企画 一般教育部 企画協力 地域子ども学研究センター、協力 キリスト教文化研究所 人部社会科学研究所、後援:特定非営利活動法人ウィメンズアイ。)