仙台学長会議より、コロナ禍における宮城・仙台地区新規大卒者等採用支援の要望書を提出しました

宮城県内20大学の総長・学長で構成されている仙台学長会議より、行政機関や商工会議所へ、コロナ禍における宮城・仙台地区新規大卒者等採用支援の要望書を提出しました。
本学からのメッセージは以下の通りです。
 

 
女子大学の立場から、お願いしたいことがあります。

新型コロナパンデミックが日本にもたらしたことの一つは、ジェンダー不平等の拡大です。失業統計やDV被害件数がそのことを物語っています。家庭にあっては女性が多数を占める非正規雇用者が真っ先に切り捨てられ、家計の急変、そして学生アルバイトの減少から、家計が急変した学生を多数見ています。

幸い、この春の大卒求人倍率は、航空関係が求人を再開し、旅行社が新たなに地域貢献に向けての求人を始めたことなどから、大分戻ってきています。しかし一方、学生たちがこの2年間に受けた経済的な痛手、そして心的な痛手には本当に大きいものがあります。私たちもしっかりと彼女たちをサポートしたいと思いますが、企業様におかれましても、是非これからの日本を背負う世代に夢を繋いでいただきたいと切にお願いします。

私がこの場をお借りしてお願いしたいもう一つのことは、是非ともジェンダー平等に向けての歩みを加速いただきたいということです。世界156カ国中120位と言う日本のジェンダー不平等が問題なのは、けっして女性が可哀そうだからではなく、この不平等が日本の成長を大きく妨げているからです。

人工知能(AI)の進出も、ジェンダー格差を拡げることに繋がらないかと心配しています。AIは私たちの仕事のうち、手続きの決まったルーチン的な仕事を置き換えていくと思いますが、残念ながら、そのような仕事はこれまで女性が担っていました。このままですとAIは女性の職場を奪うことになりかねません。企業の皆さまにおかれましては、ぜひ、ジェンダーを平等に考える癖を付けていただきたいと思います。それは何よりあなたの会社をより一層魅力的にし、まったく新しい成長の可能性を見つける一番の近道なのです。このことを、声を大にしてお願いしたいと思います。
 

 
なお上記の採用支援と併せ、宮城県と仙台市に対しては、ウクライナ学生受け入れに向けての公的支援についても要請しています。