グラムスベア・フリースコーレ/エフタスコーレ
2月24日から3月4日まで、発達臨床学科、教育学科の学生15名が、デンマーク研修に参加しました。事前の情報では、デンマークは暖冬とのことでしたが、研修期間中の北欧はこの冬一番の寒波に見舞われ、日中もマイナス5℃前後と厳しい寒さとなりました。研修前半は、グラムスベア(アンデルセンの生誕の地オーデンセからバスで30分)にある6歳から15歳の児童・生徒が学ぶフリースコーレ/エフタスコーレで研修を行いました。この学校は、デンマークの教育の祖と言われるグルントヴィの教育思想に基づく学校で、教師と児童・生徒が対話を通して学び合う授業形態でした。4年生のクラスでは、いじめに関する議論も行われ、いじめとは何か、どのように防ぐことができるのか、自分たちの考えを図で示し、それをポスターにすることで議論の結果を発表していました。また、フリースコーレ/エフタスコーレ研修最終日は、校長先生のご自宅に招かれ、スイーツと紅茶やコーヒーをご馳走になりました。今、日本でも話題となっている「ヒュッゲ」を体験することができました。
ゲスタフスミネ農場保育所
グラムスベアからバスで30分ほどのところにある、ゲスタフスミネ農場保育所を訪問しました。この日は、マイナス8℃で小雪も舞う天気でしたが、3歳以上児は、元気に屋外で遊んでいました。屋外で飼われている羊の世話をした後、農場の外の森に出かけていきました。室内には暖炉があり、壁面などはシンプルに飾られていました。未満児は男性の保育士を囲んで手遊びをしていました。その様子は、日本の保育所と変わりありません。園長先生からは、園児一人ひとりの成長・発達の様子を記録するファイルを見せていただきました。子どもたちの写真だけでなく、制作物も挟み込まれており、保護者とのコミュニケーションの手段ともなっているとのことでした。
アレロッドの森の幼稚園
今回の研修で最も楽しみにしていたのが、アレロッドの森の幼稚園です。子どもたちと一緒に、日中森で過ごしました。とはいっても、この日も最高気温はマイナス5℃。森の中の池は、全て底まで凍っていました。子どもたちはそれが当たり前のように、氷の上で遊び続けました。森の中には、子どもたちが遊ぶためのベース基地が33箇所あるそうです。私たちにとっては僅か一日の体験でしたが、子どもたちには友達へのおもいやり、自然を大切にする心、厳寒の中でも遊びに集中する力や体力が育っていることを実感しました。