1月18日(木)、卒業生の齋藤 好美 さんをお招きし、今年度第2回目の「先輩に会おう!」を開催しました。
齋藤 好美 先生は、本学音楽科を卒業後、中学校教員として働き始め、教育現場で特別支援教育に携わるなかで、知的障害のある子供たちにどのように音楽を教えていったらいいか学びたい、との思いからアメリカ・カンザス大学(The University of Kansas)の音楽療法学科大学院に留学。音楽療法に関する知識、技術を習得し、7ヶ月のインターン勤務を経て音楽療法士の資格を取得したそうです。
音楽療法は、近年、日本でも注目を集めるようになってきた職業のひとつですが、海外では医療や福祉などの現場で盛んに行われており、特にアメリカの音楽療法は先進的です。
大学院での勉強は、卒業後すぐに役立つような実践的な内容が多く、プレゼンテーションなどでは自分の意見を積極的に発言することが求められ、言葉の壁や文化の違いなど、様々な苦労がありましたが、海外で生活したからこそ見えてきた母国のよさを感じたり、世代や国を越えてたくさんの友人との交わりができたり、充実した4年半を過ごされたそうです。
留学中に起こったニューヨークの同時多発テロ事件にも触れ、平和な日本で過ごしていると気づかない世界の様々な出来事が身近に感じられ、広い視野で世界を見るようになったとお話してくださいました。
余談ですが、齋藤先生が留学したカンザス大学は、音楽科の礎を築いたK.I.ハンセン先生と縁のある大学で、宮城学院との関わりも深く、これまでも多くの卒業生がカンザス大学に留学し、研鑽を積んできました。齋藤先生が留学していた時期にも、先生のほかに数名の卒業生がカンザス大学で学んでいたそうで、ハンセン先生のご遺族との交わりを持つ機会もあったそうです。
お話の後半は、音楽療法について、その目的や効果、どのような対象者にどんな治療を行うか、など具体的に紹介してくださいました。また、学校の教育現場で音楽療法を活用することの難しさや工夫の仕方など、教員を目指す学生にとって参考になる事例を様々な観点からお話してくださいました。
参加した学生たちの感想
・「音楽療法」について、詳しく知ることができてよかったです。実習で支援学校に行った時、歌うことや音楽が好きな子供が多いな、という印象だったので、「音楽の力」は大きいな、と改めて思いました。
・昨年、先生が勤務する小松島支援学校で演奏したとき、最初は緊張していたのですが、一緒に歌を歌うことで、気持ちがつながったことを思い出しました。
・保育園や施設で演奏したことがあり、以前から「音楽療法」に関心がありました。精神疾患の方、障がいのある方、高齢者の方などと音楽でつながり、心や身体を少しでも治癒することができたら、素晴らしいことだと思うし、音楽の持つ力はすごいな、と感じました。
齋藤 先生、貴重なお話をありがとうございました!