チェンバロはピアノが発達する以前に用いられた古い時代の楽器です。
音楽科学生には副科楽器として「チェンバロ」と「コレギウム」(チェンバロを中心としたアンサンブル)を学ぶ機会が設けられています。
1月19日、今年度の履修生による授業内発表会を行いました。
カッチーニ作曲の「Amarilli(アマリッリ)」はイタリア古典歌曲の代表作で、音楽科の学生なら一度は勉強する有名な作品です。普段はピアノの伴奏で聴きなれている曲ですが、今回はオリジナルの楽譜を用いて演奏しました。バロック時代の歌い方で演奏すると、今まで耳にしていた雰囲気とは全く異なる音楽に聴こえてきます。チェンバロの優雅で繊細な音色にのせて、切ない恋心を歌いました。
ヘンデルのドイツアリアには、ヴァイオリンのオブリガードが加わりました。主旋律に寄り添いながら、音楽を豊かに彩っていきます。
[演奏した学生の感想]
最初はロマン派の作品などとは違う奏法に戸惑いましたが、旋律(歌)と伴奏(チェンバロ)に耳を傾けながら、いろいろな奏法を試してみました。みんなで相談しながら、音楽を作っていくことができて、とても楽しい時間でした。
普段チェンバロに触れる機会はなかなかないので、貴重な経験になりました。ピアノとは発音の仕組みも鍵盤の幅も異なり、ペダルもないので、慣れるまで非常に戸惑いました。
数字付低音のついた楽譜も、最初はとても難しかったのですが、少しずつ慣れてきました。
ピアノを弾くときは楽譜の通りに演奏することがほとんどですが、チェンバロでは即興的な演奏を求められることが多く、試行錯誤しながら曲を仕上げていきました。3人のアンサンブルではお互いの音色やハーモニーをよく聴きあいながら演奏することを心がけました。
卒業前にこのような経験が出来て本当に良かったです。
チェンバロという楽器を通して、鍵盤楽器の魅力を再発見し、学びの引き出しをひとつ増やすことができました。