都市・建築設計研究室(安田ゼミ)では、8月4日に富谷市しんまち地区を見学しました。
しんまちは江戸時代の宿場町「富谷宿」のすがたを今に伝える歴史地区で、富谷市の観光拠点としても整備されつつあります。今回は地元の建築家 高田洋文氏の案内で、地域全体を回ってみました。
「とみやど」と呼ばれる旧内ヶ崎醤油の跡地につくられた観光施設をスタートします。ここは内ヶ崎家の分家で、内ヶ崎作三郎氏(衆議院議員、早稲田大学教授)の生家です。敷地内にはチャレンジショップや蔵を改造したはちみつ専門店のほか、作三郎氏の記念館もあります。
まずは高田氏に地域の概要をお聞きして出発です。
まずは宿場町の本陣として栄えた内ヶ崎家の別邸です。今は非公開ですが、中は豪華な庭園が広がっています。
続いて、富谷市民俗ギャラリーにて、学芸員の清水勇希氏から富谷宿の歴史を解説いただきました。宿場町の広いネットワークや当時の産業についてお話しいただきました。
続いて、旧佐忠商店(富谷宿)で店主の佐藤氏が語る昭和初期の富谷のすがたと、古い町家についてお聞きしました。ここは蔵造りの店で、巨大なケヤキの梁で支えられた店のなかは昭和の雰囲気たっぷりです。初めて時計が店に来たときは、子どもたちが学校を休むほど大騒ぎだったそうです。
続いて、内ヶ崎酒造で内ヶ崎啓氏のお話を伺いました。内ヶ崎家(本家)は代々受け継がれる富谷宿の本陣です。県内では最古の酒造としても知られ、蔵元の内ケ崎氏は杜氏でもあります。
最後は、フランク・ロイド・ライトの建物を彷彿させる洋館を訪れました。ここは一説には遠藤新設計とも言われ、大正時代に建てられたスクラッチタイル仕上げの建物です。装飾や建築意匠は大変凝っており、東京から来た職人が数年の間、しんまちに住んで建設をしたようです。
とみやどの町家を改造したレストランもよい雰囲気でした。訪れた先の皆さんの地域愛があふれる見学となりました。