高校生を対象に、生活文化デザイン学科で募集したフォトコンテストの結果をご報告します。
審査は写真家で東陽写場代表の後藤浩策氏(以下、敬称略)を招き、生活文化デザイン学科の教員と共に厳正に行いました。
最優秀賞
樋口真愛
仙台白百合学園高等学校
「母と弟の日常」を主体に撮影しました。手伝いもせずダラダラと漫画を読む弟。それを奥で見流す母。うちの弟の「日常」として毎日繰り返されるこの光景は誰が見ても「うんざり」するようなものだと思いつき、撮影したのがこの1枚です。
この写真のポイントは背景と一緒にあえて母もぼかすことで見た人にどんな表情をしているのか、と想像して楽しんでもらいたいというところです。また、彩度を下げ全体を明るめにすることで「日常感」を出しました。
審査講評
日常生活を撮りながら、色をセピアにしたことと背景をぼかしたことで、非日常的な雰囲気を作り出している。(後藤浩策)
優秀賞
田中さくら
桜の聖母学院高校
私はいつも洗濯をしているのですが、家事はいくらやっても終らない、次々と新しい仕事が増えるので洗濯機を見るたびにうんざりしています。
なので洗われる服側からは私達がどう見えているのか気になったので、このような写真を撮ろうと思いました。この作品にタイトルをつけるとしたら「服の世界」です。
審査講評
独創的な構図とシャッターチャンス、白と黒のコントラストが強力な印象を作っている。(後藤浩策)
優秀賞
田畑栞奈
沼津市立沼津高等学校
人は少ない。常に生きるため餌を求める彼らの日常を写すと彼らの働きぶり、生き様が見えてくる。どこにでもいる蟻をよく観察することで新たな発見がたくさん生まれ、また小さな彼らから勇気をもらうことだろう。
審査講評
小さな蟻の世界を被写体深度の浅い範囲でシャープに表現しているので、小さな存在でもくっきりと強い印象を与えている。蟻の形も秀逸である。(後藤浩策)
優秀賞
松浦楓
山形県立山形西高等学校
雨の日に電柱をバックにして撮りました。ふと窓を見たとき、いつもは堂々と立っている電柱がもの寂しく思いました。普段見る景色とは違い、あまり見ることのできないような景色だったので、よい一枚になったのではないかと思います。
審査講評
窓ガラスにピントを合わせることによって、外の世界が夢の世界のように感じられる。(後藤浩策)
優秀賞
山鼻涼
岩手県立西和賀高校
岩手県西和賀町、寒くて、雪深い場所。文字通りうんざりするほど。しかし、それらの刹那の綺麗は無類のものであり、真に迫るもの。朝すこし早く起きて、雪が積もったり、凍ったりしてめんどくさいな、と綺麗だなが同時に来るようなそんな率直さ。ただ素朴に撮ったものがこれです。
審査講評
作者の日常生活を送っている風景から厳しさと美しさがブルーと黒の世界に描かれている叙情的な一枚である。(後藤浩策)
応募いただいた作品はどれも力作ぞろいで、素晴らしいものでした。
審査においては、入賞作品以外にも非常に高く評価された作品が複数あったことをここに付記します。
(審査員一同)