国際文化学科2年 桑島枝里
国際文化学科2年 横田祐貴
今回、宮城県の北部地方振興事務所からお声掛かりがあり、「発酵のまち大崎」をコンセプトとした地域振興を学ぶ体験ができました。私たちは観光を通じた地域振興に関心があるため、地域振興プランニングの現場に触れる貴重な機会だと考え、1月17日の「おおさき発酵のまちづくり調査・見学会」に参加しました。
ツアーの始まりは、大崎市にある一ノ蔵という酒蔵の見学でした。お酒づくりの工程の見学、製品の試飲に加えて、一ノ蔵の歴史や現在の活動について、説明をしていただきました。一ノ蔵では機械をできるだけ使わず、職人によるハンドメイドのお酒を提供していることを知りました。機械主流の現代で手作りを大事にしているということで一ノ蔵の姿勢にあたたかみを感じました。
一ノ蔵では、海外に日本酒を広める活動も積極的に展開しているそうです。最近ではグローバル化が進み国内外での交流が大事にされていますが、大崎市という小さな街から世界に進出するプロジェクトが実践されていることに感嘆しました。海外展開を担っているマーケティング室室長の山田好恵さんは、本学の卒業生ということで、私たちも将来、このように国際的な活躍がしたいという夢がふくらみました。また、酒粕エステや日本酒化粧水の体験もさせていただきました、飲むのではない日本酒の新たな消費スタイルの提案ということで、こうした発想の工夫が商品開発には重要なのだと、学びました。
お昼には、古川にある「和膳きたはま」という料亭で、発酵食品を知るために発酵食品のフルコースをいただきました。1つ1つの料理に手間がかかっていて懐かしい味がしました。とてもおいしかったのでまた大崎市に食べに行きたいと思いました。
次に訪れたのは、同じく古川の「食の蔵・醸室」という、食をテーマにした複合商業施設です。古い民家を改装した建物で、大崎で行っている発酵まちづくりについての説明を聞きながら、大崎市の新たな観光資源として開発している発酵食品や、甘酒を使用したスムージーをいただきました。
それらの発酵食品をテーマとして、大崎のこれからの発酵まちづくりを考えるために、私たちもアイディアを提供することになりました。甘酒スムージーについての詳細なアンケートに答え、さらに「発酵のまち大崎の知名度を上げるには」という論題で話し合いをしました。話し合いはワールドカフェという形式を取り、5-6名ずつの班に分かれて思い思いに意見を交わし合いました。各班から上がってきたアイディアは、くだらないものや荒唐無稽なものも含んでいましたが、展開の可能性を感じるものもありました。まずはこうやって数多くのアイディアを出していくことが、独自性を生み出す第一歩なのだと思いました。
私たちはこのワールドカフェという話し合い形式は初めてでとても刺激になりました。最初は知らない人と話し合うのが不安であまり積極的に発言できないと思っていましたが、話し合いを重ねるうちに盛り上がり、もともと地域復興に興味があった私たちですが、この活動を通して具体的な意見などを述べていくうちにもっと興味が湧きそれを実践させたくなりました。
大崎市では地域のつながりを大事にしながらまちづくりに取り組んでいる姿が印象的でした。今回の調査・見学会を通じて、今まで知らなかった多くのことを知り、視野が広がったと実感しています。発酵のまちづくりの企画に少しですが参加させていただいたことで、大崎市が少し身近に感じられるようになったとともに、商品開発や観光企画に対する興味と関心が強まりました。
北部地方振興事務所の皆さま、今回は貴重な機会を与えていただいて、本当にありがとうございました。このような地域復興や観光産業に関する企画がまたあれば、次回も是非参加したいです。