桜ヶ丘古文書プロジェクトは、9月1日に東北大学災害科学国際研究所(災害研)にて行われている古文書の保全活動に参加してきました。私たち桜ヶ丘古文書プロジェクトは、年2回の古文書クリーニング作業を実施しています。災害研にはNPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク(宮城資料ネット)の事務局があります。宮城資料ネットは2003年7月26日に発生した宮城県北部地震をきっかけに設立され、古文書をはじめとする史料の保管や、災害に遭った史料の救出を行っています。現在は、毎週月曜日に災害研で保全作業が行われています。
桜ヶ丘古文書プロジェクトからの参加者は、今回は6名で、初心者と経験者を含め有意義な活動となりました。活動内容は、古文書のクリーニング、デジタル撮影、史料ナンバリング、襖に張り付いた古文書を剥がす作業など、様々なことを経験させていただきました。初参加者は、はじめに宮城資料ネットについてのお話をお聞きし、具体的な活動内容やその後の社会貢献など、よりこの活動について深く理解できたと思います。私も、初めて古文書をクリーニングしたときには、実際に文化財を手にする緊張から、一つ一つの作業を慎重に行いました。

古文書のクリーニング作業

襖の下張りの古文書を剥がす作業
クリーニング後は、保管に向けた作業を行い、ナンバリングによって大量の史料を管理します。史料については、調査依頼を引き受けたものから取り組み、破損や紛失の無いよう根気のいる作業でした。しかし、実際には資料ネットの方々と古文書の話をしながら、和気あいあいとした雰囲気で取り組むことができました。ボランティアには古文書や歴史が好きな方が集まっているため、「こんなくずし字があった」、「見て、これ貴重だよ」などと、それぞれの注目があり、歴史に思いを馳せた時間を過ごすことができました。


古文書のナンバリング作業
古文書プロジェクトでは、大学内でも史料保全活動を行っています。宮城学院資料室の古文書や、直接寄贈していただいた古文書なども取り扱い、デジタル撮影、解読作業と活動を広げています。今回の災害研での活動では、古文書に触れることの経験や、文化財保護において、地元の歴史の学びにつながる機会となったと感じています。この経験を、今後のプロジェクトにも活かし、多くの古文書を救える活動を目指していきます。
(桜ヶ丘古文書プロジェクト 人間文化学科4年 佐藤ひより)