食品栄養学科4年 大内美幸
■FAS
Food and smile! 「食を通して笑顔に」という想いが込められています。
■FASの目的・趣旨
児童館にいる子どもたちを対象に栄養教育を行い、子どもたちが「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することを目的としています。また地元企業や地元住民の方々と連携し、地場産品を使ったレシピ開発を行うことで、地産地消の定着と地域の活性化を目指しています。
■2年間の活動を振り返って
FASは、私が大学2年生のときに「何か1から自分で創り上げたい!」と思い、同じ学科の友人に声をかけて立ち上げた団体です。それから早2年、たくさんのご支援とご縁により、私たちは多くの活動を行うことができました。
児童館や公民館での栄養教育は、子どもたちに「食」について楽しみながら学んでもらいたいという想いから始めました。飽食時代を迎えて食べ物に困らなくなった現在、「食品を選択する力」と「食べ物と食べ物の生産にかかわる人々への感謝の心」が求められます。これらの能力や感性を育むために、どのようにしたら分かりやすく親しみやすい形で「食」について伝えられるかと、試行錯誤を繰り返した日々は管理栄養士を目指す私たちにとっても大きな学びの時間となりました。
地元企業と行ったレシピ開発では、初めてのレシピ開発ということもあり、ドキドキワクワクしながら取り組みました。自分たちの考えたレシピがレシピブックとして消費者の手元に届くことに企業の看板商品をPRするプレッシャーを感じましたが、何度も行った試作と試食は楽しい思い出の1つです。地元企業とのレシピ開発を通して、地元の食材を大切にすることは地元そのものを大切にすることなのだと強く感じました。
2015年から開始した災害食プロジェクトは、東日本大震災によって明らかになった災害時の食問題を解決するための活動です。柴田町では、柴田町社会福祉協議会の協力のもと、民生委員や婦人防火クラブの方々から震災当時の炊き出しや食事の実際についてお話を伺いました。その後、聞き取り調査で得た「これから必要な炊き出しの力」を身に付けるために、地域住民の方々と一緒に炊き出し体験を行い、地域住民の方々に日頃の備えの大切さを伝えることができました。また、角田市では災害が発生した時に役立つレシピを使った子ども向けのお料理教室を開催し、子どもたちの自助力と共助力を育てることができました。料理教室で作った食事は、災害時に役立つだけでなく角田市の特産品(梅・豆・米)を使用しているので、地産地消の定着も期待できます。料理教室で作ったメニューのうち、「梅入りだまこ汁」は児童健全育成推進財団の発行する「じどうかん」にレシピが掲載され、全国へ向けた災害食プロジェクトとなりました。また福祉・防災カフェで話題提供をする機会も頂き、大阪府茨木市にて私たちの災害食プロジェクトで行ったきた地域防災活動について報告をしました。
活動最終年には、これらの活動が学外の方々にも伝わるようになり、ラジオ放送局やテレビ放送局からお声がけ頂いてメディアへの出演の機会を頂くことができました。これまでは「私たちがしたいことだけをしてきた」つもりでしたが、FASの活動について知りたい、参考にしたいという方々がいらっしゃることを大変嬉しく思います。FASのメンバーは春から社会人になるので今後の団体としての活動は未定ですが、教育現場や医療現場、企業や行政など様々な面から発信を続けていきたいと思っております。
最後になりますが、多くの方のご支援のおかげで活動を行うことができました。ご協力いただいた全ての方に、この場をお借りして御礼申し上げます。
■活動参加人数
食品栄養学科10名
■活動歴
2014年 2月19日、3月25日、11月13日
水の森児童館にて栄養教育(対象者:小学校低学年)
・「給食」をテーマに教育し、食材と給食に携わっている人に対して感謝の気持ちを養うことを目的とした。
・「野菜」をテーマに教育し、野菜の役割を理解して好き嫌いをなくすことを目的とした。
・「お米」をテーマに教育し、年々低下している米の消費量をあげることを目的とした。
2014年 4月4日~12月16日
海藻の一種「あかもく」をPRするためのレシピ開発(依頼者:株式会社シーフーズあかま)
あかもくを使った、炊き込みご飯、キッシュ、パン、中華スープを考案した。
レシピの撮影を行い、商品を購入した消費者の手元にレシピブックが届くこととなった。
2014年 7月31日~
災害食プロジェクトにおけるレシピ開発(依頼者:コミュニティ・4・チルドレン)
角田市の特産物である梅・豆・米を使ったレシピ開発を開始。
2014年 8月8日
日吉台公民館にて栄養教育(対象者:小学校全学年)
「赤・黄・緑の食べ物」をテーマ教育し、バランスよく食べることの大切さを理解することを目的とした。
2015年 3月25日
柴田町にて炊き出し体験会①の実施(共催:柴田町社会福祉協議会、コミュニティ・4・チルドレン)
柴田町の住民の方々と炊き出しの体験をし、地域の災害時における「共助力」を高めることを目指した。
2015年 3月25日
児童健全育成推進財団が発行する「じどうかん」にレシピが掲載
FASが考案した災害食のレシピ(角田市の特産品を使用したもの)が掲載された。
2015年 3月30日
角田市にて小学校低学年向け料理教室の開催(共催:角田市社会福祉協議会、コミュニティ・4・チルドレン)
角田市の児童と一緒に、角田市の特産品である「梅・豆・米」を使用した食事を作った。
2015年 8月05日
柴田町にて炊き出し体験会②の実施(共催:柴田町社会福祉協議会、コミュニティ・4・チルドレン)
柴田町の小学生と炊き出しの体験をし、地域の災害時における「共助力」を高めることを目指した。
2015年 11月5日
『サバメシ防災ハンドブック』へ掲載する災害食レシピの開発(依頼者:DateFM)
「災害時に役立つサバメシ」のレシピ開発を開始した。
2016年 1月24日
福祉・防災カフェでの話題提供(対象:IVUSA大阪茨木クラブ、立命館大学の学生、地域の方)
大阪府茨木市の方々へFASの行ってきた地域防災活動について報告をした。
2016年 1月29日
災害食レシピの撮影と取材(依頼者:NHK大津放送局)
『「かまどベンチでいざメシ」 楽しくつづけよう!生活防災』の収録を行った。