食品栄養学科3年 古内 晴菜
南光台小学校へのボランティアを始めてから、1年になります。母校のために、何かしたい。ぼんやりとした理由で始めたボランティアでは、自分の役割を問う時間でした。かつて、どっしりと構え、私たちを見守っていた学び舎がもう無い。本当にここは母校かと疑う気持ちで校門をくぐったことを覚えています。薄い壁のプレハブの建物は、上の階の足音が聞こえ、児童の声の反響だけで揺れるような頼りなさを感じさせました。
主な活動は、学習支援と児童との触れ合いでした。課題に丸を付けて回ったり、わからないところを個別で教えたりしました。先生からお仕事を頼まれたときは、役に立てることが嬉しく、張り切ってやりました。しかし、児童から頼られたとき、自分の判断で答えて良いものかわからず、困ってしまいました。体育の時間、体調が悪いと訴えた女の子をすぐに保健室に連れて行きました。先生に相談せず、授業を抜け出させたことで、後で注意を受けました。頼られたとき、全力で応えたい。しかし実際は、空回りしているばかりで役に立てているか不安でした。頼りないのは自分自身だったと反省しました。
そこからは、授業において先生は児童に何を教えたいのか、児童は何を求めているのか、考えるようになりました。大学の授業の合間に、たまにしか訪れない私が、その場に居ることで変わることはとても小さなことでした。児童の話し相手になる、一緒に給食を食べる、届かない窓を開けてあげる、そんな少しの働きかけしかできませんが、1つ1つの触れ合いを大切にしようと思いました。1年が経とうとしたとき、先生が「よく気がつき、児童をよく見ることができる人」と評価してくださいました。
役に立っているか、何をすべきか、問い続けるばかりでまだ答えが出せません。しかし、児童と触れ合った時間は確かなものでした。工事中の新しい校舎が、形をはっきりさせてゆく様子を眺めながら、児童と過ごす時間は私の中で特別な時間となりました。