【日本語教員養成課程】 海外で活躍する卒業生(ベトナム編)

● 海外で活躍する卒業生 ―ベトナム編― (S・Mさん<2011年度卒>)

121 日本語教師を目指して10年が経ち、念願の日本語教師としての一歩をベトナム・ハノイで踏み出しました。“オーストラリアに住みたい”そんな理由から海外でできる仕事を探し日本語教師という職業を知りました。そして大学3年生のときに韓国研修に参加してから、日本語教師になるにはどの国に行くのがいいのかを考えるようになりました。辛くともすぐに即戦力となれるところ、日本語教育の環境が整っていないところで経験を積みたいと、大学生の時に行ったことのあるタイ、ベトナムに絞りました。第一希望は現在留学生が急増しているベトナムでした。留学生は急増していますが、日本に留学できる人はほんの一握りで日本語学校に通うことで精いっぱいの人がたくさんいるのが現状です。そこで、私が海外に渡り、現地で十分に日本語が学べる環境を作り、ある程度の日本語教育経験を積んでから帰国して大学院に進学するという新たな夢ができました。

 インターネットで求人も探しましたが、求人先の実態がわからず応募するのをためらっていた時に、東京で行われるアジア人材就職転職セミナーでベトナム大使館が教育相談ブースを設けることを知り、迷わず参加しました。その場で大学卒業後、ベトナムに行くことが決まり、大使館の方の配慮で大学院に行きながら日本語教師ができることになりました。

 現在、日本語教師をしながら来年の大学院進学に向けてハノイ大学でベトナム語を勉強しています。ベトナム語を学び始めてから、外国語を学ぶ楽しさと難しさを改めて知ると同時に学習者にとって教師とはどのような存在なのかも知りました。言葉が通じない中での学習者とのコミュニケーションのとり方、1週間ひらがな・カタカナだけの授業でどうすれば学習者が毎日あきずに勉強できるかなど毎日悩みは尽きません。まだまだ未熟な授業しかできませんが、ひらがなも読めなかった学習者と少しずつ会話ができるようになっていると実感できることが毎日の活力になっています。日本にいては絶対に経験できないことがたくさんあるので、日本語教師を目指す皆さんはぜひ海外で日本語教師の一歩を踏み出してください。