9月3日(火)、宮城学院女子大学日本文学会では約5年ぶりとなる「文学旅行」を実施しました。
コロナ以前は毎年実施していた日本文学科の学生による学生のための企画です。
今回は教員と副手も参加し、学生たちと一緒に山形方面の文学と歴史を巡る旅に出かけました。
先ずは山形県上山市に向かいます。
須川という川にかかった橋を渡ると、大層綺麗な記念館が目の前に広がります。
山形が誇る歌人、斎藤茂吉の記念館です。
とても充実した展示内容で、記念館にお声がけいただき最初に全員で鑑賞した映像資料がこれまた勉強になりました。この映像資料で当時の時代背景や斎藤茂吉についてわかりやすく学ぶことができました。斎藤茂吉記念館のご厚意に感謝申し上げます。
斎藤茂吉記念館には茂吉についての詳しい資料はもちろん、同時代に活躍した文豪たちについての展示もあり、展示資料の中にはなかなか強烈な斎藤茂吉が息子に宛てた手紙も・・・・・・ 茂吉と子供たちとの関係性がよくわかる展示もあり、色々な角度から斎藤茂吉という人物について学びを深めることができました。
参加した学生は文学好きが多く、1時間では到底足りないという意見が出るほど。
斎藤茂吉の人となりがよくわかる展示が多く、同時に大変見やすい展示で、訪問することが出来て本当に良かったと思います。
次は川西町にある井上ひさしの遅筆堂文庫へ。
井上ひさしが寄贈した約22万点に及ぶ資料・蔵書に圧倒される1時間でした。学芸員の先生による情熱的な説明を伺うことができ、実際に井上ひさしが愛用していた椅子に座ることもでき、さらには井上ひさしにまつわる展示もしっかりと拝見し、大変良い時間を過ごすことができました。
遅筆堂文庫が入っている川西町フレンドリープラザには、遅筆堂文庫のほかに劇場と町立図書館もありまして、そちらも見学させていただきました。
ちょうどいいサイズの立派な劇場(楽屋も立派でした)に、町民の方々が熱心に読書に励む図書館。
どちらも居心地が良い空間で、入口の広間ではレコードも特別にかけていただき、すっかりくつろいでしまいました。
お昼過ぎに米沢市に到着、ここからは各自自由見学の時間へ。
思い思いに時間を過ごした後(もちろん上杉神社の参拝は欠かせない)、15時半に上杉博物館を全員で見学。上杉博物館もまた工夫が凝らされた立派な博物館で、見所も大変多く。次回訪問する際は、もっとじっくり見学できるよう時間配分に気を付けたいと思いました。今回伺うことができ本当に良かったと思っています。
国宝「上杉本洛中洛外図屏風」が展示期間ではなく見られなかったのが唯一の心残りでしょうか。
上杉神社の空気はやはり澄んでいて、時が止まったかのような静けさが漂っています。
気付いたら参加者のほとんどが上杉神社に集まっていて、それぞれの手にはおみくじが。
参拝を終え、上杉神社の宝物殿に向かう学生もいれば、御朱印をお願いする学生もいたり、上杉鷹山に関する案内看板を熟読する学生もいたり・・・・と、各々の時間を過ごしたようでした。
雨予報が出ていましたが、一日中天気に恵まれ、まさかの気温も低く。
暑さを覚悟していた日本文学会一行は、涼しい風が吹く米沢に優しく迎えてもらい、素晴らしい時間を堪能することができました。
米沢牛も美味しく頂き、五感が満たされる文学旅行は無事に終了となりました。
参加した皆さん、楽しい旅となりましたでしょうか。
来年もまた文学旅行に出掛けましょう。