大崎市鹿島台地区で方言調査を実施しました

hougen2023

日本文学科2年生向けに開講されている「日本語学演習」では、宮城県内での方言調査を毎年行っています。実際に現地に足を運んで聞き取りを行い、方言の実態を明らかにします。
さわやかな秋晴れのなか、今年は大崎市鹿島台地区で方言アクセントの調査をしてきました。

ここ3年ほどは、コロナ禍で出かけることができませんでしたので、しばらくぶりのフィールドワーク実施です。

今回は、受講生のなかから希望者を募って編成された「宮城アクセントチーム」メンバーと、宮城県方言を研究している日本語・日本文学専攻の大学院生とが参加しました。

宮城県内のアクセントは、県北部では、たとえば「柿(カキ)」と「牡蠣(カキ)」をアクセントで区別して言い分けるなど、ことばのアクセントに一定の型を持っています。一方、県南部では、アクセントによる語の区別がなく、決まった型のない自由な発音が聞かれます。鹿島台地区は、これら北部と南部とに挟まれた地域にあたり、アクセントの型に「揺れ」がある「曖昧アクセント」とされているエリアのなかにあります。現状に興味が持たれます。

当日は鹿島台公民館を会場として地元の方にお越しいただき、用意した調査票に従って、ことばの発音を収録していきました。学生たちは事前に教室で練習した調査方法に従いながら、ひとつひとつ丁寧に質問を行います。おしゃべりも楽しみながら、なごやかな雰囲気のなかで聞き取りが進行しました。

ご協力くださった皆さんに感謝しながら、参加した学生たちは早速分析にとりかかっています。調査結果の発表が楽しみです。

(志村記)