歌舞伎、文楽、能。
日本文学科では例年、日本が誇る伝統芸能を学ぶ「伝統文化教育プログラム」を実施しています。
今回は6月1日(木)、「能を学ぶ!」と題して、プロの能楽師に特別講義をお願いしました。
喜多流能楽師の佐藤寛泰 師をお迎えして行われた「能を学ぶ!」。
能についての基礎知識を改めて確認し(日本文学科の学生は1年次必修授業である「日本文化史」で能について学んでいます)、実際に本物の能面を見せていただきました。
今回見せていただいたのは、頬のふっくらした小面に、髪の乱れが気にかかる泥眼、そして角の生えた般若という女面三種に、業平を写したといわれる中将の面。
お持ちいただいた能面のなかには江戸時代のものもありました。
「本物の般若の面が見てみたい!」という学生たちの要望を聞き入れて下さった佐藤先生、ほんとうにありがとうございました。
江戸時代、能は武家の式楽となり、大名たちも能を習い覚えました。藩の力が強いほど、能も煌びやかになったそうです。
絹糸を染色して織りあげる衣装のお話や、能面の種類、扱い方についても教えていただき、参加者全員で謡いを練習させていただきました。
今回取り上げて下さったのは「葵上」の一節。
腹式呼吸のコツを教わりながら、先生の後に続いて声を出してみます。
学生たちの声は、比較的最初から出ていたように思いますが、リズムや節に気を付けながら読み上げるので精一杯でしたよね。佐藤寛泰 師がお手本を披露してくださった時には、会場の空気が震えたように感じました。廊下にまで響き渡る謡いに、たまたま教室の前を通りかかった他学科の学生たちも、思わず覗き込まずにはいられなかったようです。
後半は学生たちが楽しみにしていた能面体験です。
体験コーナーに名乗りを上げた意欲的な学生たちが一人ひとり、般若になり、中将になり、小面になっていきます。視界は狭く、息苦しさもありますね。
能面をつけている学生たちはいたってまじめです。
しかし、会場からはなぜか「クスクス…」という笑い声が。
洋服姿で能面をつけた学生たちが互いに見つめ合ったり、頷き合ったりする様子がどうにもシュールで、ギャップがありすぎです。能面女子の花子さんがほんとにいたら、こんな感じ?(笑)不思議でシュールで滑稽に見えてしまうのも無理はありません。
最後には質疑応答の時間も設けていただきました。
能の世界、大層興味深いですね。
佐藤寛泰先生、この度も貴重なお時間をありがとうございました。
日本文学科「伝統文化教育プログラム」第二弾は歌舞伎です。
7月に観劇/感激しましょう。