【日本語教員養成課程】「学習者に聞く東ヨーロッパの日本語教育事情 ―ウクライナの事例を中心に―」を開催しました

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5月29日(月)、日本語教員養成課程主催ワークショップ「学習者に聞く東ヨーロッパの日本語教育事情 ―ウクライナの事例を中心に―」が開催され、講師としてお迎えしたГнутова Дарина (グヌトヴァ・ダリナ)さんとЛясота Єва (リアソタ・エヴァ)さんからお話を伺いました。講師のお二人はウクライナのドニプロ国立大学を卒業後、ウクライナで日本語を教えていた経験をお持ちです。
 

「誰が何のためにウクライナで日本語を学ぶのですか?」
ワークショップはお二人からのこの問いかけと共に始まりました。
学習者は10代から30代にかけて多く、元々は日本のアニメや漫画、ゲーム、音楽、文化、ファッション・・・・・などに興味を持ったことがキッカケとなるそうです。中にはストレス発散の方法として日本のアニメを観たり、日本語を学んだりする方もいるとか。
ウクライナにある4つの大学(キーウ大学、ハルキウ大学、リヴィウ大学、ドニプロ大学)で学ぶことができ、大学以外ではキーウにあるウクライナ・日本センター(UAJC)や外国語ランゲージスクール、人によっては独習とオンラインスピーキングクラブなどで学ぶことになるようです。

話を伺うなかで、てっきり日本人の日本語教師が教えているのだと思いましたが、日本人の先生はほぼいないとのこと。なんとウクライナ人が教えているそうです。そのため、教科書に書かれていることは学ぶことができても、日常会話ができるようになるまでにはなかなか到達できないというお話でした。
ウクライナで日本語を学ぶうえで困っていることや難しいことも教えてくださいました。その中でも、キャリアの選択肢が少ない(ウクライナには日本の企業が少ない)ことや、せっかく学んだ日本語の知識を生かす機会があまりないということが印象に残りました。

ワークショップはウクライナに関する簡単なクイズも取り入れながら進み、後半になると質疑応答の時間になりました。参加した学生たちからは様々な質問が飛び出し、ダリナさんとエヴァさんは笑顔で丁寧に答えてくださいました(ちなみにお二人はとても上手に日本語を話します)。ウクライナには日本文化を紹介する日があるそうです。書道や合気道などがお披露目されるとのこと。また、ウクライナの方々は日本にいい印象を抱いているという嬉しいお話も伺うことができました。

日本という国は新しい文化と伝統的な文化が共存しているところが素晴らしいと、ダリナさんとエヴァさんは話してくださいました。
今回のワークショップ。日本文学科で日本語教育を学ぶ学生たちにとって大変貴重な機会になったのではないでしょうか。ダリナさん、エヴァさん、この度はありがとうございました。学びの多いワークショップとなりました。