2015年4月23日、日本文学科 日本語教員養成課程では「日本語教師の先輩に聞く」と題し、特別座談会を開催しました。
ゲストスピーカーには、2014年3月に日本文学科を卒業後、イギリスに渡り、イギリスの大学院で学びながら現地の高校で日本語教育実習を行った三浦夏生さんと、日本文学科で昨年から学んでいる台湾からの留学生 チェンさんをお迎えしました。
「イギリス編」を担当された三浦さんは、イギリスの学校事情を紹介してくれました。日本の学校とは全く異なる教育制度が紹介され、参加者は興味深く聞いていたようです。
日本語教師としてイギリスの高校で教壇に立ちながら、三浦さんが経験された色々な出来事。シラバス作りやクラスマネジメントといったことに特に力を入れたそうです。全員が授業についてこられるわけではありませんので、工夫をこらしたサマリーを渡したり、フィードバックシートを配ったりするかたわらで、元気な生徒たちを授業に集中させるための一工夫にこだわったり・・・・
また、日本語学校ではなく、普通の高校で日本語を学ぶ生徒たちへの配慮として、授業が始まる前のウォーミングアップにも熱心に取り組まれたそうです。生徒たちの頭を切り替えさせるための効果的な方法などが紹介されました。どれもこれも、日本人である私たちが聞いても楽しそうなことばかりでした。
三浦さんの体験談の報告後には、参加者による質疑応答が行われました。たくさんの質問が出る中で、三浦さんが強調されていたことがありました。それは自分の意見を最初に言う、ということです。日本人は結論を最後に言う人が多いですが、それは外国では通用しないそう。はっきりと最初に自分の意見を伝えることが大事とのことでした。
三浦さんに続き、「アジア編」ということで、台湾から日本文学科に留学をしているチェンさんから報告がありました。
チェンさんは先ず、台湾の教育制度について説明をしてくれました。そして日本語をどこで学べるのか、ということも詳しく紹介してくれました。
日本人の私たちは母語として日本語を用いるわけですが、外国の方が日本語を選んで専攻する理由は興味深いものがあるのではないでしょうか。なぜ台湾で日本語を専攻するのか。チェンさんはその理由も教えてくれました。歴史・文学などへの興味関心がある人もいれば、日本語でコミュニケーションをとってみたいと思う人もいるそうです。日本語そのものへの興味がある人もいますし、日本の文化、特にサブカルチャーが好きだから日本語を専攻する人もいるそうです。また、入試制度の関係で日本語専攻にならざるをえなかった人もいる・・・・という話もありました。
台湾で用いられている日本語の紹介もありました。漢字は同じですが、意味は異なる単語(学長、勉強、先生など)。漢字が同じで、日本でも台湾でも意味は同じだけど発音が異なる単語(寄付、離縁、病院など)。言葉の面白さを改めて知りました。
チェンさんの報告終了後にも、質疑応答が行われ、多くの質問が寄せられました。チェンさんがはにかみながら、上手なイントネーションの日本語で答えていた姿が印象的でした。
ふたりのゲストスピーカーによる特別座談会。改めて、日本語教師になりたいと思う良いキッカケになったのではないでしょうか。