学生の海外滞在記が届きました

国際交流センターでは、海外で活動する本学学生の安全な渡航と活動を支援しています。

今回は、ウガンダ共和国に滞在している本学学生から届いたお便りをご紹介します。

2018年12月6日

  「愛と笑顔が溢れる、ウガンダ共和国」

 宮城学院女子大学発達臨床学科

4年 髙橋茉莉奈

 

2017年8月。ある電話がきっかけで、私の人生に変化が訪れた。「1年海外行ってみない?」

あしなが育英会という、親を亡くした子ども「遺児」をサポートする団体からの電話だった。私の父親が亡くなってから、高校の時の奨学金が、あしながとの出会いだ。ここでは、大学奨学生になるとあしなが運動というものがある。いわゆるボランティア活動だ。募金や、高校奨学生のためのキャンプなど、同じ遺児を支えるための活動を行っている。ちょうどそのキャンプの準備中に、かかってきた電話だった。

英語の出来ない自分には、海外なんて全く縁のないもの。まさか1年なんて、絶対無理と思った。しかし、「私は、来年1年海外に行く」気づくとキャンプ参加者150人の前で、そう宣言している自分がいた。こうして私は、あしなが育英会が1年留学をサポートする「海外留学研修制度」に応募を決めた。

私が選んだ国はアフリカのウガンダ共和国。初めての海外だからこそ、日本とは全く違う生活環境にチャレンジしようと決断し、それから英語を猛勉強し、2018年1月にウガンダ行きへの切符を手に入れた。

<ウガンダでの暮らし>

ウガンダでの生活が始まり、現在8ヶ月が経つ。私はここで、子どもや学生を対象とした教育支援活動を中心に行っている。その中でも、最近特に印象深かったホームステイについてお伝えしたい。

 

彼女の名前はシャディア。あしながウガンダに登録している遺児の1人だ。現在14歳で、とあるナンサナの学校に通う小学4年生である。彼女は長女で、6人兄妹。4畳半ほどの家に、お母さんを加えた7人で暮らしている。私は彼女の家で約1ヶ月、4畳半に8人暮らしというホームステイをさせてもらった。

子どもたちは6時半には起きて水汲み場へ行き一仕事終えると、7時前には家を出る。どこの学校もだいたい7時半から授業が始まるのだ。そして17時半頃には帰宅し、近所の子たちと少し遊んでから宿題や洗濯、家の手伝いなどをする。20時にはご飯、ベイズと呼ばれる水浴びを済ませる。ウガンダの家庭では、シャワーの代わりに桶に水をためて浴びる。22時には全員就寝、1日が終わる。シャディアの家では、母親が家を空けることも多く、その間はシャディアが妹たちのベイズを手伝い、洗濯を済ませ、7人分のご飯作り。きっとこのような生活が、彼女をよりお姉さんにさせてしまったのであろう。

電気があり、蛇口をひねれば飲み水が出る。スイッチを押すだけで洗濯が出来る。温かいお風呂の湯につかることが出来る。物事にかかる時間が短縮され、より豊かな、より便利な暮らしへと発展していく日本。一方で、井戸まで汲みに行き、1度沸騰させなければ手に入らない飲み水。何時間もかけて行う手洗いの洗濯。桶に溜めた水の冷たさに泣きながら体を洗う子ども。料理をするための火起こし。1つのろうそくの火を囲んで過ごす家族。決して便利ではないけれど、家族や人々が協力し合い、日々を全力で生き抜く人たちが暮らすウガンダ。

便利になったことと引き換えに、日本は大切なものを失ったのかもしれない。ウガンダでの活動の残り約3ヶ月、決して楽ではない道だが、乗り越えた先にはきっと何かがあると信じ、教育支援活動を続けたい。