心理行動科学科の工藤敏巳と言います。よろしくお願いします。
どんな人物なの?
1961年2月14日生まれ、道産子です。もう51歳になってしまいました。何と、St.バレンタインデーに誕生したんです。皆さんのように若い方にとってバレンタインデーは一大イベントでしょうが、この歳になってしまうとほとんど関心がなくなってしまいますね(笑)
心理行動科学科ではゼミや基礎実験実習などを担当しています。専門はスポーツ心理学です。…ですので、ゼミでは、例えば競技スポーツで優秀な戦績を上げるためのメンタルトレーニングについてとか、何故運動が下手なのかとか、女性なら誰しも関心があるダイエットの心理などなど、多様なテーマについて学生と一緒に考えながら授業を進めています。
ダイエットが及ぼす心理的効果に関する調査では、実際に学生が被験者になって3ヶ月という長い期間、ダイエットプログラムを実践したこともありました(写真)。精神集中の修行(?)のため、禅寺に行って坐禅を体験したり、なんてこともやっています。
今年は8月にロンドンオリンピックが開催され、チームジャパンは38個のメダルを獲得しました。右の表は金メダルの獲得数で順位を付けたものですが、これを金・銀・銅メダルの合計で並べてみると、日本は第6位になります。素晴らしい戦績です。東京の赤羽に国立スポーツ科学センター(JISS)という「この国のスポーツを強くする」ことを目的に作られた施設があります。JISSではスポーツ科学・医学・情報など専門家集団が連携しあって国際競技力向上のための支援に取り組んでいます。その成果が結果に現れたのだと思います。
日本オリンピック強化委員会強化スタッフの一員としては大変うれしいかぎりです。…とは言っても、残念なことに私が関わっているソフトテニス競技はオリンピック競技ではないため当然ロンドンに行くこともありませんでした。国内の競技人口は他の競技に比べ圧倒的に多いのですが国際普及はさっぱりです。そうした現状を変えてオリンピック競技にしていきたいものです。
私は日本ソフトテニス連盟医科学部会委員の立場でナショナルチームや日本代表チームの科学的サポート活動にも関わっていて、国内だけでなく国際大会でもチームに帯同し情報戦略のお手伝いをしています。写真は2010年アジア競技大会団体戦で優勝した時のものです。もう1枚の写真はダブルスで優勝した杉本選手とのツーショットです。
夏休みの宿題
今年の夏休みの宿題として連立方程式を解きました(笑)。連立方程式というのは中学校で習ったと思いますが下記のような式ですね。例にあげたのは2元連立方程式ですが、私が扱ったのは未知数が8個もある8元連立方程式です。
ビデオカメラの映像から実際の位置情報(例えば選手やボールなどの移動情報)を抽出するため、8元連立方程式を解かなければなりません。こうした手法をDLT法と言います。計算専用のソフトウエアも販売されているのですが、結構使いづらいのでそれならいっその事自分で製作してしまおうと言うわけです。8元連立方程式を代入法で解答するには無理があります。性能の良いPCでもかなり時間を要してしまうので、行列演算で効率よく計算します。
もう1つ。
テンプレートマッチングというパターン認識が行なえるもの。デジカメなどを使って人物の写メを撮る時、ファインダー上に顔を囲った四角が現れますね。これはあらかじめ用意された顔のテンプレートと同じ映像を検出する仕組みが組み込まれているためです。
こうしたアルゴリズムを応用して、心理学で扱われる瞬目反応(まばたき)とか、あるいはスポーツ科学の領域では試合中の選手の位置情報などを自動で抽出することが可能となります。
さてさて、ゼミの学生は夏休みの期間中も私の研究室に来て勉強しています。何でもパソコン検定の資格を取るとかでWordやExcelを必死になって学習しています。日常的な作業ではほとんど使用しない機能もしっかりと学習しているようです。あまり役に立たないかもしれないけど少しだけでも協力してあげよう。オリンピックも、勉学も、頑張る姿には心が動きますね。