リレーエッセイの記事

教員のリレーエッセイ:生活文化デザイン学科 准教授 佐藤 芳治

2021.06.15

2020年に新しくできた都市デザイン研究室では街やまちづくりに関することをテーマにゼミ活動を行っています。
 
さて、あなたは街なかに行くのはどのような時でしょうか? 友達とカフェやお買い物に? 映画やコンサート、イベントまたはアルバイトの時でしょうか? コロナ禍で街に行くことも少なくなっていると思いますが、良い街だなと感じるのは、欲しいものが手に入るだけではなく、居心地がよくて歩いているだけでも楽しい街ではないでしょうか。
 

街なかの安全で心地よい道

 
例えば朝、お店のシャッターがガラガラッ!とあがる音やちょっとした木陰で園児の散歩を眺めたり、昼間のラーメン屋さんの美味しそうな匂い、夕方の道ゆく人の賑わいなど。こうした普段の何気ない、当たり前の出来事はお店などの目的地ではなく、その途中の道や公園などで出会うのです。街なかの途中にある空間が安全で心地よいこと、地元の人のいきいきとした暮らしが感じ取れることは、自分がここにいても良いという居場所としての安心感をもたらしてくれます。
 
そうした暮らしが垣間見える街の空間【パブリックスペース】は誰がどのように作ったり、手入れをしているのでしょうか。
カフェやお店なら、経営者がオシャレにデザインして、心地良い音楽を流したりと売上向上のために様々な工夫をしています。途中にある道路や公園は公共施設ですから、地方自治体(市町村)が作り、管理をしています。自治体は市町村のなかにあるほとんど全部の公園や道路を管理するため、一つ一つにかけられる手間やお金は一定の基準のもと限られてきます。ですので、どこの公園も同じようで、面白みや魅力に欠けるとも指摘されています。
 

公園利用を促進する社会実験
【西公園4WEEKS】(2017)

 
では、私たちが身近に利用する道や公園を私たちの手で、もっと素敵に・使いやすくできないのでしょうか? 家の前を通る人のために花を植える。歩道の邪魔にならないところにひと休みできるベンチを置く。公園や空き地に子どもが自由に遊べる冒険広場(プレーパーク)を作る。花壇やコミュニティガーデンなど季節の彩りや恵みの場を皆でつくる。また、マルシェやピクニック、音楽、アートなど思い思いのテーマのイベントを催して、多くの人に来てもらうなど。自分たちが過ごす街を自分たちでカスタマイズしたり使いこなすことが増えていくと、もっと街が楽しくなると思いませんか?
 

歩道の利活用社会実験
【定禅寺リビングストリート】(2019)

 
街なかを過ごしやすくする地域ごとの取り組みは社会実験として全国でたくさん行われています。私たちのゼミも仙台のシンボルロード、定禅寺通のまちづくりに参加し、仮説を立てて取り組みながら、調査などを行って効果を調べています。ぜひあなたも一緒にまちを盛り上げることを考えてみませんか。
 

ゼミでインフォメーションやワークショップとアンケート調査などを行なった【定禅寺リビングストリートプチマルシェ】(2020)

 

生活文化デザイン学科 作品集2020
(P38:定禅寺通のまちづくり)

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