生活文化デザイン学科 教授 厳 爽

生活文化デザイン学科の厳爽(やん しゅあん)と申します。建築系の授業を担当しております。

さて、「デザイン」という言葉に、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?・・・実は、「デザイン(design)」の語源は「デッサン(dessin)」と同じく、ラテン語の「designare」です。その意味はバラバラの条件を一つの方向に整理し、まとめるということにほかなりません。

本学科で学ぶデザインは建築、インテリア、ランドスケープ、グラフィックなど、多岐にわたります。一見、バラバラなことを対象としているようにも見える「デザイン」ですが、いずれも生活に密着していて、その方法論には共通することも多いのです。住み心地のよい空間を創り上げる(建築デザイン)には、その空間に合う家具や照明の提案(インテリアデザイン)が不可欠ですし、カーテンやソファのカバーの色や素材、模様など(テキスタイルデザイン)も空間の雰囲気を大きく左右します。だからこそ、昔から多くの建築家は、設計した住宅のために自身で家具からカーテンなどのテキスタイルまで幅広くデザインを手掛けてきました。

デザインという行為自体は敷地、材料、予算などさまざまな制約や条件を整理し、使い手の要望に応じて一つの方向にまとめていく作業ですが、いいデザインを生み出すためには、優れたものや「本物」に触れることも大切です。「環境文化見学実習(海外研修)」という授業では、北欧などの海外に赴きます。

高齢者施設、学校、住宅見学のほか、インテリアメーカー(マルテラ社)、テキスタイルメーカー(マリメッコ社)のデザイン現場見学を通して本物のデザインに触れ、デザイナーの話を聞く機会もあります。本学科は、専門的な学問を学び、暮らしの要素をデザインでつなぎ、そして生活に寄り添う空間を提案することができるプロフェショナル(専門家)を育てることを目指しています。