生活文化デザイン学科 准教授 藤田嘉代子

生活文化デザイン学科の藤田嘉代子です。昨年春に宮城学院女子大学に赴任いたしました。専門は社会学、家族社会学やジェンダー論で、子育てを中心としたケアの家庭内外での分担を研究しています。またポピュラーカルチャーにおける女性像についても研究しています。

私はこれまで大学での男女共同参画を進める仕事についてきました。具体的には、子育て中の研究者の両立支援や、女子中高生の理系進路選択支援などです。

また、ボランティアで『女性学年報』という雑誌の編集に携わってきました。『女性学年報』は女性学のジャーナルとしては日本で一番古い雑誌で、論文だけでなくいろいろなタイプの作品を掲載する雑誌です。コンセプトは「女であることにプロもアマもなく、自分たちのメディアを自分たちで作り出す」です。

授業では「家族論」「家族社会学A」「家族社会学B」「社会調査法演習」等を担当しています。いずれも手と頭と足を使って、自分自身や身の周りの人の経験から「ライフコースの変化」や「家族と社会の変化」を考えます。

みなさんは、ジェンダーや女性学といったら、「何かむずかしい?」と思いますか。

女性学では、「個人的なことは政治的なこと」が基本となっています。簡単に言えば、「これって私だけの問題じゃない?」と思われるような経験を「なかったこと」にしないということです。

最近では、著名人のセクシュアル・ハラスメントが、被害にあった女優の告発によってアメリカから次々に明らかになりましたね。SNSを通じて世界中の女性が#Me Tooというハッシュタグをつけて自身の被害体験をツイートし、その数は何十万にも上りました。

日本でセクハラの裁判が初めて争われたのが1989年です。それから約30年たっても、このような有り様ですから言葉の広がりほどにセクハラの被害はなくなっていないということです。ですが、この言葉が生み出されたからこそ、セクハラの実態が伝わるようになり、結果、今回のような大きなうねりも生まれたんですね。

みなさんも、身の周りにあるおかしいと思うこと、ヘンだなと感じたことを大切にしてください。それを<当たり前のこと>と済ましてしまわない。この違和感は?と感じたら、それはあなた自身の研究の第一歩です。家族社会学ゼミで一緒に学びましょう。