公開シンポジウム「東北における女子ミッション教育の社会史」を開催しました

2018年11月24日(土),大学開設70周年記念事業プレ企画として、公開シンポジウム「東北における女子ミッション教育の社会史」を実施しました(主催 宮城学院女子大学、共催 同附属キリスト教文化研究所,女子ミッション教育史研究会、後援 宮城学院同窓会)。

平川新 本学学長の挨拶、企画者の天童睦子 本学教授の趣旨説明に続き、講演では「ミッション系女学校の教養文化」と題して、稲垣恭子 京都大学大学院教授が、文化社会学の視点から、明治期の「女学生」の誕生、ミッションスクールと女学生文化を概説し、関西地域での実証的調査をふまえて、「たしなみ」の文化、「モダンな教養文化」の接点としての女学生の教養文化について話されました。さらに、現代に生きる教養として、専門知識や実用的知識のみの偏重ではなく、分野を超えた知的好奇心、批判的・総合的な知、コミュニケーション力といった、ポスト近代の教養が不可欠な時代にあることに言及されました。

後半の研究報告では、女子ミッション教育史研究会代表の片瀬一男 東北学院大学教授が、「女子ミッション教育の戦後史」研究の一環として、「集合的記憶の文化社会学―宮城学院創立記念誌『期にいたりて実を結び』の内容分析」と題する報告を行いました。計量社会学の手法により、本学院の卒業生による記念誌の内容分析から、西欧的・キリスト教的文化から日本的・家族的女性文化へ、さらに国際的・専門職的スキルへの注目と、学校文化の史的変遷を鮮やかに描き出しました。最後に、宮城学院の歴代の卒業生4名が登壇し、学生時代の思い出、卒業後の諸活動に学院で培った精神性や学びが活かされていることを話されました。

学生、一般市民、同窓生など300名近い参加者があり、学生からは、講演を聞いて「自分らしさ、その人らしさを内側から支えることが教養」、「卒業生の話をうかがって、誇りをもって生きていきたいと感じた」といったコメントが寄せられました。ご参加、ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

(文責:天童睦子 本学一般教育部教授)

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