【学部長挨拶】ゼレンスキー大統領の国会演説を振り返って

ウクライナのゼレンスキー大統領が2022年3月23日、日本の国会でオンライン形式の演説を行いました。その内容がNHKのサイトで紹介されています。
(参照 NHK NEWS WEB:/www3.nhk.or.jp/news/html/20220324/k10013548461000.html

ゼレンスキー大統領は世界中にウクライナの惨状を訴えかけていますが、日本の国会ではどのようなことを我々に伝えたかったのか、世界が注目していた内容です。その内容は、全世界が核兵器と化学兵器の脅威にさらされていること、ロシアの侵攻でウクライナの人々がどのように苦しんでいるのかを訴えました。さらに、国連や安全保障理事会が機能しなかったことを引き合いに、新しい安全保障の枠組みが必要であり、日本が貢献できることについても述べました。

一際目を引いたのが、2019年にゼレンスキー大統領のオレナ夫人が目の不自由な子どものためにオーディオブックをつくったという逸話です。日本の童話をウクライナ語で翻訳したということでした。演説中には、その童話のタイトルについて触れられませんでしたが、「ももたろう」と「二ひきの蛙」が翻訳され、共感を呼んだということです。

大学生の皆さんであれば、「ももたろう」は子どもの頃に読み聞かされてご存知かと思います。「二ひきの蛙」は、新美南吉の「ごんぎつね 新美南吉童話作品集1(大日本図書)」にも掲載されています。けんかをしている二ひきの蛙が、どうやってなかよくなったのか、、、気になる人は下記のサイトにアクセスしてみてください。
(参照 青空文庫:/www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/4718_13223.html

国同士の争いを予防する仕組みが欲しい、というゼレンスキー大統領の願いは、「平和」と「文化交流」がキーワードになりそうです。教育に関わる学生の皆さんには、「共感」を呼ぶ言葉の力、「問題解決の本質」についても学んでいただきたいと思います。

以上

(文責:西浦和樹)