人間文化学会主催、Triangle共催で、2023年11月30日の昼休みに、オンラインで「バングラデシュ・ロヒンギャ難民の若者向け識字教育―ジェンダーの視点から」というテーマの講演会を開催しました。講師は、NGO団体である“プラン・インターナショナル・ジャパン”の内海摩耶氏です。
内海氏は、自分がNGO団体に勤めるようになったキャリアの話から講演をはじめ、バングラデシュにおけるロヒンギャ難民の生活の実態、劣悪な生活環境などについて、スライドをもちいて、わかりやすくお話をされました。とくに、教育を受けられないために、就職につながらないこと、女性の教育レベルが低いこと、それに対するプラン・ジャパンの支援について具体的に紹介され、成果があがっていることがわかりました。
学生の感想をいくつか紹介します。
「プランの活動やロヒンギャ難民のジェンダー課題について詳しく知ることができました。現在でも、識字率がとても低い社会が存在していることに驚きを感じました。何よりも驚いたのが男性でさえ、識字率が22%であり、女性はわずか3%で、大きな課題があることがよくわかりました」。
「今、私たちは自由に主張する権利があり、生活しているのに、ロヒンギャの人々は、その権利をはく奪され、難民として生きる道しかない、その現状がバングラデシュで起きていることに心が痛くなりました」。
「ロヒンギャの若者は国から追われ、難民キャンプで暮らさなければならず、そのキャンプからも出られない『何もすることがない生活』というのを強いられているのだと知りました。私もたまに何もしないで生活したいと感じることもありますが、実際に起きてしまったら、生きている希望もなくしてしまうだろうと思います」。
「特に、印象的だったのは、何もしない苦痛というところです。何もしない苦痛が、反社会的組織や女性の早すぎる結婚につながり、負のループをうんでいる現状がわかりました」。
「プランは、女性に社会的・政治的な環境を自分の力でコントロールし、女性自身のエンパワーメントといった自分の人生を切り開く力を高めるという活動を推し進めており、現地のジェンダー規範や意識改革をはかるものとして、非常に有効な取り組みだと思いました」。