美術作品鑑賞会を開催しました。
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(美術作品鑑賞会を終えて)
“江戸時代の掛軸を間近で見る”と銘打った「美術作品鑑賞会-蠣崎波響を中心に-」が10月1日(木)16時30分から18時にかけて、A402演習室で開催された。本学の名誉教授で人間文化学科において長らく教鞭をとられた井上研一郎先生と作品所蔵者であるT先生との長年にわたる親交から実現した催しである。お持ちいただいた波響作品は花鳥画と風景図あわせて4点。博物館や美術館ではケース越しにしか見ることのできない掛軸作品を、わずか数センチという至近距離から鑑賞できるとあって、参加者は興味津々。井上先生からは、松前藩の家老でアイヌの酋長らを描いた「夷酋列象」の筆者でもある波響の画業について概要説明を受けた後、内山も加わり各作品を様々な角度から検証。画面の構図配置やモチーフの意味についてはもとより、描かれた材質や落款・印章、本紙と表具との関係、はては真贋の問題にまで話は及んだ。設定された時間が遅く、参加者は多くなかったが、間近に寄って初めて細部描写に気づいた学生にとっては新鮮な驚きの体験となったようだ。今後も折に触れ、このような鑑賞会を開催していきたいと思っている。
(文責:内山)