地域子ども学研究センター 今年度 第1回研究会のご報告

地域子ども学研究センター主催 2024年度 第1回研究会「子ども支援と地域社会:最前線の課題をみる」が開催されました。

2024年7月9日(火)に研究会(19時~20時半 オンラインZoom)が開催されました。「子ども支援と地域社会:最前線の課題をみる」をテーマに、宮城県石巻市の子ども・家族支援の事例をふまえた2つの話題提供をいただきました。

まず、足立智昭氏(本学名誉教授・東日本大震災子ども・若者支援センター代表理事)より「石巻におけるこども家庭センターの課題」について報告がありました。東日本大震災を契機に、長期にわたり被災地の子ども・子育て支援に携わってきた知見から、地域的特性を視野に入れた子ども支援のあり方が提起されました。

また能登半島地震の被災地に何度も足を運ばれた体験からは東日本大震災との比較とともに、地域の文化的特性、非常時にケアや医療の鍵となる人と場所の重要性が浮上しました。

次に、NPO法人ベビースマイル石巻 代表理事 荒木裕美(ひろみ)氏より、「子ども支援の現場から」をテーマに、ベビースマイル石巻を立ち上げた経緯、子どもの権利、妊娠期を含めゼロ歳児から18歳未満まで切れ目のない子ども・子育て支援の大事さが語られました。

被災地で当事者団体を立ち上げ、その後多様な支援のネットワークを生かした活動の様子、また石巻子どもセンター”らいつ”の活動も紹介され、「子ども支援と地域」の最前線の課題が生き生きと伝わりました。

ディスカッションでは研究者、市民らによる密度の濃い意見交換がなされました(コーディネーター本学名誉教授・天童睦子)。地域活動資源を生かした「石巻モデル」の検討、子どもの権利を主軸に据える意義の再確認、ローカルな子ども支援の現場から見える課題はグローバルなウェルビーイングとつながることが論議されました(コメンテーター本学教育学部教授・西浦和樹ほか)。

報告者、参加者の皆様 ご協力ありがとうございました。