古代史と近現代史の世界へようこそ
大平ゼミの紹介とお誘い
Q なんで日本史の両端を扱っているの?
A 私の専門はもともとは古代史です。 卑弥呼の時代から、道長(藤原)の時代まで、守備範囲にしています。 古代の貴族は親の七光で出世した? 天皇制はどのように生み出された? 日本最初の皇太子は誰? という研究から、古代史研究の世界に入って行きました。 そして、「正倉院文書」と出会いました。 一例を示しましょう。
【京都・奈良の研修旅行〜日本の古代に触れる旅〜】 毎年、奈良国立博物館で開催される正倉院展をメインに、京都・奈良の研修旅行を行います。 ゼミ最大のイベントをまず紹介しましょう。 正倉院の倉下にいれていただきます。 ただし、2012年は解体修理中で残念ながら、倉下には入れませんでした。 藤原宮の発掘現場の見学。奈良文化財研究所の方に撮っていただきました。 奈良文化財研究所(藤原調査部)では、レプリカを用いて、木簡について教えていただきます。 宇治平等院も修理中。阿弥陀堂(鳳凰堂)には入堂できませんでしたが、めったに見られない光景を見ることができました。 宇治では、調査中の太閤堤の発掘状況を説明していただきました。 【ゼミの卒業生は、こんな研究をしてきました 古代・中世史編】 ・写経所に於ける経師手実の書式の変遷について(11年度) ・古代における地震の記録と諸対応(11年度) ・日本古代の贄について(09年度) ・聖武・称徳天皇とその諡号の関係(08年度) ・光明立后の意義と皇后の政治的意義(08年度) ・長屋王の変について(08年度) ・桓武天皇の即位における政変と皇位継承問題(08年度) ・元慶の乱から見る古代東北史(08年度) ・平泉と安倍氏の柵について(08年度) ・中世の経済政策について―出挙と徳政(08年度) ・郡山遺跡について(07年度) ・正倉院文書「布施帳」に関する考察(07年度) ・三条天皇の譲位儀と後一条天皇の即位儀について(07年度) ・孝謙天皇と称徳天皇の政治思想(06年度) ・正倉院文書「布施帳」の研究(06年度) ・『小右記』、『御堂関白』」に見られる法会・仏事(06年度) ・縄文土器底部の圧痕(05年度) ・涌谷の産金と東大寺の大仏(05年度) ・遣唐使を通してみる唐・東アジアとの対外関係(05年度) ・「六国史」にみえる大祓(05年度) ・受領の実態(05年度) ・安倍氏、奥州藤原氏と衣川(05年度) ・藤原清衡にまつわる女性たち(05年度) |
Q それがどうして近現代史に?
A アジア太平洋戦争末期の1944年11月、宮城高等女学校(宮城学院中学・高等学校の前身)の生徒200人以上が、神奈川県の横須賀(私の生まれ故郷です)の海軍航空技術廠(兵器開発・製造工場)で働かされたことを知りました。 これをきっかけに「学徒勤労動員」の調査を始め、ゼミ生は自分の出身校などを中心に卒論を書いています。 県内、時には県外にも出かけ、学校に保管されている資料を調査させていただき、研究を行っています。資料の閲覧をさせていただいた学校に、研究成果をお届けしています。 旧白石女子高等学校所蔵資料の研究成果を、宮城県白石高等学校にお届けしました。 (2011年2月24日) 【ゼミの卒業生は、こんな研究をしてきました 近現代史編】 ・学校日誌から見る戦時中の小学校―山形県高畠町の学校日誌より(11年度) ・学校日誌から見る戦時中の小学校(11年度) ・宮城県白石高等女学校公文書綴の基礎的研究(10年度) ・佐大商店出荷帳簿からみる地域の歴史(10年度) ・船岡海軍火薬廠における学徒勤労動員について(10年度) ・宮城県下の学徒勤労動員―中等学校を中心に(08年度・修論) ・宮城県の学徒勤労動員 ―戦時下のミッションスクールの動向及び中等学校の学徒勤労動員(07年度) ・岩手県の学徒勤労動員(06年度) ・戦時下の石巻高等女学校(06年度) ・船岡第一海軍火薬廠への女学生の勤労動員(05年度) ・カトリック系ミッションスクールにおける宗教教育(03年度) 【小学校の資料調査】 最近では、小学校の資料を調査しています。学校に保管されている資料、特に学校日誌には、地域の様子も記されています。小学校に眠る資料は貴重な地域の歴史資料であり、歴史遺産です。 私たちのゼミでは、研究のために調査をさせていただくだけでなく、未来に伝えるための保全活動も積極的に行っています。なぜならそれは、現在、学校資料が廃棄の危機にさらされているからです。少子化と、自治体の広域合併が進んだ結果、学校の統廃合が進められているのです。 貴重な学校資料を未来に伝えるため、調べ、保存する作業に、古代史専攻のゼミ生も取り組んでいます。 その作業の一端を見てみましょう。 手順1 現状確認作業 調査に入る前に、資料の現状を確認します。 手順2 作業場への搬出 資料を作業場に搬出し、分類します。 手順3 保存封筒作製 資料の保存に適した中性紙の保存封筒に資料名を書き込み、撮影の準備をします。 手順4 撮影 研究のために学校日誌の全頁を撮影しています。 手順5 目録の作製 学校に保存されている資料の目録を作成します。 手順6 保全作業 資料を中性紙の封筒に入れ、やはり中性紙の保存箱に収納し、内容がわかるように、目録を貼り付けます。 児童との交流@ 児童の皆さんに調査の様子を見ていただき、資料の大切さを説明しました。 児童との交流A 児童の皆さんから、様々な質問が投げかけられました。 |
Q ゼミではどのような勉強をするの?
A ゼミの一端を紹介しましょう。 1年生 【マンガでゼミは学べるか】 石ノ森章太郎さんの『マンガ 日本歴史』をテキストに、コマの一つ一つがどのような資料に基づいて描かれているか、もとになった資料を探し出し、「マンガで日本史は学べるか」を考えます。 この作業で、歴史は暗記ではない、資料に基づいて過去の事実を探る学問であることを理解します。 レジュメのサンプル 2年生 【『小右記』を読む】 藤原道長と同時代を過ごした「賢人」藤原実資が書き記した『小右記』に返り点を付して音読します。 毎年、導入に使っている資料をお見せしましょう。
3年生 研究テーマを決め、研究したことをを発表し、卒論に向けて進んでゆきます。 奈良・京都実習のコース選びを始め、ゼミ全体の行事を計画、実施します。 4年生 卒論に向けてまっしぐら。 9月に学内合宿をして卒論構想・中間発表を行います。 2月には、後輩たちと共に卒論発表会。OGも参加してくれます。 |
Q ゼミでは勉強ばかりなの?
A「楽しくなければ大学じゃない」をゼミのモットーに、年間を通じて様々な行事を行います。 【ある年のゼミの1年】 5月 第一回伝統食文化研究会 うどん打ち 餃子を作る 6月 多賀城探検 多賀城碑を見る 多賀城北辺の探索 10月 大学祭に模擬店参加 月末のビッグイベント、奈良・京都実習での拝観・入館料を稼がねば。 2012年は、山形のソウルフード「どんどんやき」でした。 11月 第二回伝統食文化研究会 おでんで卒論と格闘中の4年生を励まします。 大根の下ごしらえ、「かつら剥きにして、面とりして、隠し庖丁を入れる」ヤッテトーライ。 2月 卒論発表会 OGから鋭い質問が。 発表会の後は温泉につかって、史跡を見学して解散します。 このほか、博物館、遺跡見学を随時行っています。 |