ヴォスクオーレ仙台への栄養サポートプログラムがスタート

2016年12月2日に本学とフットサルFリーグ所属のヴォスクオーレ仙台との間で連携協定を締結したことによる具体的な連携事業の1つとして,ヴォスクオーレ仙台の選手たちへの栄養サポートのプログラムがスタートしました。

その第1回目として,先日行われたヴォスクオーレ仙台のシーズンインとなるクラブ研修会において,栄養教育やスポーツ栄養を専門とする本学生活科学部の丹野久美子准教授による栄養サポートの講習が行われました。

今回は,まずは選手たちの体組成等の基礎的なデータを取得することを目的としたプログラムを実施し,本学の健康栄養学研究科の大学院生および食品栄養学科の学生が選手たちの測定をサポートしました。

また,日常の食習慣等を把握するための食生活や食物摂取頻度に関する調査も行い,これから一人ひとりの選手に合った栄養サポートを行うための基礎データを取得することができました。

続いて,丹野先生による「スポーツ選手が知っておきたい食事学」と題する講演があり,日々の生活の中で食事を摂取する上で気をつけなければならない点やヴォスクオーレ仙台の練習時間に合わせた食事の摂り方など,実際のケースに当てはめた説明がなされました。

他にも,1日の中での体重や体脂肪率の変化などをグラフを用いて説明することで,アスリートとして押さえておくべき身体の仕組み等について選手の皆さんに理解していただきました。

さらに,講演前に測定した実際の数値を使用して,選手一人ひとりの体脂肪量や基礎代謝量を求め,そこから1日に必要なエネルギー量を算出することで,日々摂取すべきエネルギー量の目安を認識してもらう作業を実施しました。

選手の皆さんは,普段の練習とは異なり慣れない作業に苦戦する場面もありましたが,自分に合った体づくりの基礎となる作業であることから,真剣に取り組んでいました。

続いて,室内で行われサッカーよりも狭いエリアで行われるフットサルという球技の特性である「運動量が多い」「持久力と瞬発力の両方の要素を併せ持つ」,接触を伴うことの多い「コンタクトスポーツである」という点を踏まえて,どのような栄養素を摂取すべきかについて説明がありました。

その中では,具体的な例示なども多く交えることで,若い選手の多いチームの特徴を考慮した,より実践的な説明となり,選手の皆さんにとっては理解が深められたようでした。

講演終了後には質疑応答が行われ,最初はなかなか質問がなかったものの,次第に選手たちからは様々な質問が寄せられるようになり,丹野先生がその一つ一つに丁寧に回答されました。

そのうち,トップチームのホセ・フェルナンデス監督からも質問の手が挙がるなど,活発なやり取りが交わされ,選手たちにとっても食生活や栄養についての関心が高いことがうかがわれました。

今後は,今回集められたデータを解析し,選手一人ひとりに合った栄養サポートを行うことで,間接的にではありますが,怪我をしにくくバランスの良い体づくりなどチームの強化の一助となれるよう取り組みを進めていきます。