7月10日(木)4校時,キャリア支援の一環として「言語聴覚士(ST)のお仕事」についての講演会を行いました。
■ゲストスピーカーは以下のお二人でした。
・須賀川芳夫先生(ST。仙台仙台医療福祉専門学校言語聴覚科)
・中里みなみさん(ST。2011年度卒業生・仙台徳洲会病院勤務)
■まず,須賀川先生から,STのお仕事について,STに向いている人はどのような人であるのか、大学卒業後にSTになるにはどのような方法があるのかについてお話いただきました。言語聴覚士(Speech-Language-Hearing Therapist:ST)は、「話すこと、聞くこと」に関する障害のある人に対して、それらの機能の維持・向上に関わる専門家です。大学を卒業後に専門学校で2年間学んだ上で国家試験に合格することで、資格が与えられます。広い意味では心理学の専門家の一つととらえることができ、学部で心理学を学んだ人たちが選ぶ進路の一つです。
専門学校進学後の学習内容や臨床実習,学費やそのサポート体制についてもお伺いしました。
■その後、この春STの資格を取得され、医療現場でご活躍中の中里さんに、進路決定の理由や資格取得までの苦労話、働いて3ヶ月を振り返ってとお話を伺いました。人の人らしさを支えるために、どうあるべきかを真摯に考え、仕事に向かわれる姿勢に感銘を受けました。
就職後1年経ったあたりののお話もお聞きしたいところです。来年は仕事と家庭の両立についてもうかがえそうです。
■中里さんから在学中の後輩へのメッセージもいただきましたのでご紹介します。
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今現在している勉強や部活などが将来に直結していなくても、必ずそれが役に立つことがあるのではないかと思います。目の前の利益に繋がらなくて一見無駄なように思えることを経験できるのも、大学生の時だと思います。私は大学生の時にもっといろんな経験をしておけばよかったな、と今になって思っています。
また、迷っていることがあるなら、一人で悩まずに相談したほうがいいと思います。自分一人だけで悩んでいてもなかなか一歩を進めないので、誰かに相談することで先が見えてくることもあります。友人でも先生でも家族でも、相手は誰でもいいと思います。ほんの少し進むだけで次の一歩が出しやすくなると思うので、私は何かを諦める前に少しだけでも行動することを心掛けています。
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最後に,参加した学生たちの感想をご紹介します。
- 心理学を学んだ先の進路の一つとして入学当初から名前だけは知っていましたが、実際の仕事の内容などは知りませんでしたので、STの仕事の内容はもちろん、大学を卒業してからの資格の取り方、実習について、専門学校についてなど、具体的な道筋が見える内容でとてもためになりました。人の人らしさを支援するためにはST自身が幸せでなければならないという言葉に、STの大変さややりがいが詰まっていると感じました。
- 「命を支える医者や看護師とは異なり、人の人らしさを支えるのが言語聴覚士」という言葉が印象に残りました。
- 人の気持ちに寄添うことが重要であるという部分で、今自分が学んでいる心理学も最大限に生かすことが出来る職業であると感じました。
- STを目指すかどうかについてはまだ悩んでいますが、お話を伺い、言語聴覚士のお仕事は本当に大変そうだなと感じたとともに、同じくらい魅力も感じました。中里さんのお話の通り、今はまだ色々な人に相談し、自分の納得できる進路を選択したいと思います。
- 技術的なことを多く学ぶイメージがありましたが、福祉関係の法律知識などや音響学など分野が幅広く、文系、理系どちらも対応しているのは意外でした。
- 進学するにあたって、理系分野が苦手な私は勉強に対する不安がありましたが、今のうちから学習できることを教えてもらうことができたので参加してよかったです。
- 私は、何気なく去年のSTの説明会に参加したのがきっかけでこの職業を知り、その後進学を決意しました。STに少しでも興味がある人や全くこの職業を知らない人、そして今学んでいる心理学を通して人の支えとなって人の役に立つ職業に興味がある人は絶対に参加するべき!
(木野記)