2024年10月10日、心理行動科学科2年生10人が「現場部」の活動として宮城県警察本部を訪問し、心理学を活用しているスペシャリストから現場のお話を伺うことができました。
午前中は、警務課犯罪被害者支援室の警察官及び心理カウンセラーから、犯罪被害者等支援の広報啓発及び自死防止を目的とした犯罪被害者遺族の心情を学ぶ「命の大切さを学ぶ教室」を紹介いただきました。学生にとっては、犯罪被害者遺族の心理状態を目の当たりにする機会となり、今ここで生きていることの大切さを改めて体感することができ、加えて臨床心理的地域援助である心の健康教育の在り方を学ぶことができました。さらに、心理カウンセラーには、架空事例について学生同士で検討するワークを用意していただき、学生達はディスカッションを通して、犯罪被害者支援における心理支援の重要性を理解する機会となりました。
午後は、科学捜査研究所・心理担当研究員から、心理学を捜査支援として活かすポリグラフ検査及びプロファイリングを説明いただきました。特にポリグラフ検査においては学生を被検者役として実演いただくなど、リアルタイムで同検査の反応及びその読み取り方を紹介していただき、大学で行う心理学実験実習とは異なる臨場感あふれる貴重な体験となりました。
次に刑事総務課・心理捜査官(警察官)から、心理学を活用した取調べ及び被害者聴取について説明を受けました。質疑の時間には、学生たちは子どもの聴取年齢、障がいを抱えた被疑者の聴取方法などについて積極的に質問し、これに対して心理捜査官からは丁寧に回答なされました。学生にとっては自分の考えや疑問についてスペシャリストと話し合うことができ、自信につながる機会となりました。
最後に、少年課・少年警察補導員から、非行少年等への相談及び他機関との協働について説明がなされ、ご自身の体験談を交えながら相談者の気持ちに寄り添う難しさを説明いただいたおかげで、学生は少年相談の真の難しさに触れる貴重な機会となりました。
なお、広報相談課次長からは、宮城県警察本部庁舎内を案内いただき、迅速かつ的確な110番対応の通信指令課、円滑な交通に尽力している交通規制課、事件事故のみならず震災時の救助等現場で活躍する警察官の活動について説明いただき、学生にとっては様々な現場で活躍している警察官を目の当たりにするなど、警察関係の現場で心理学がいかに生かされているかを学び取るとともに、将来のキャリア形成に寄与する貴重な機会となりました。この場をお借りして宮城県警察の皆様に改めて感謝申し上げます。
(犯罪心理学ゼミ担当・浅野晴哉 記)
犯罪被害者支援室の警察官・心理カウンセラー
科学捜査研究所・心理担当研究員
刑事総務課・心理捜査官
少年課・少年警察補導員